学校訪問でのチェック事項は? その1[中学受験合格言コラム]

学校訪問の目的は他のだれかではない「我が子に合った学校」を見極めることにある。我が子が楽しい学校生活を送ることができることはもちろん、我が子の持ち味である性格・資質を活かし、育ててくれる環境を「我が子に合った学校」として保護者は期待するし、また期待してよいことである。学校を構成する要素は多種多様であるが、その中でも学校の教育方針と校風が最も重要な要素である。それは外部からはわかりにくいものである。が、学校訪問では学校の教育方針と校風で育った「在校生」、学校の教育方針と校風で学校を運営している「先生」、および「学校全体」の3要素を見るべきだと思う。また、在校生の保護者は在校生の家庭環境を見るうえで参考になる。
しかし、「何を」よりも「どこを」見るかが肝心だ。以下に、どこを見るかポイントを絞ってみた。

保護者のチェック事項
1.在校生の外面的な礼儀・服装・言葉づかい・態度など
2.在校生の活力・やる気
3.在校生の人間性などの内面的な印象
4.先生の外面的な礼儀・服装・言葉づかい・態度など
5.先生の活力・やる気
6.先生の人間性などの内面的な印象
7.学校全体の外面的な清潔さ・整理整頓の様子など
8.学校全体の活力・活気
9.学校全体の雰囲気などの内面的な印象
10.受験生の保護者の外面的な礼儀・服装・言葉づかい・態度など
11.受験生の保護者の人間性などの内面的な印象
12.校長先生・幹部の先生方の話の内容

どこを見るかという場合、「礼儀・服装・言葉づかい・態度など」の外面的な事項だけに目がいきがちだが、「活力・やる気」と「人間性などの内面的な印象」にも目を配りたい。もちろん外面的な事項はその学校の文化として重要だ。しかし生徒文化となると「活力・やる気」と「人間性などの内面的な印象」が大いなる構成要件だ。「礼儀・服装・言葉づかい・態度など」だけで学校の教育方針と校風を判断することは、その学校の文化を見誤る恐れがある。先生や学校全体についても同じことが言える。外面的な事項だけ見ると、どんな教員文化を有しているかを見落とす。

学校訪問は、「どのように思うか?」という調査方法で、「良い・悪い」や「好き・嫌い」の主観的評価になる。主観的な調査では大きな勘違いもありうるので、学校訪問には保護者同士、お子さん、またはご友人と同行し、意見交換をすることで、多様な見方をすることができる。
また、いくつかの学校を同じ項目で調査することでもそれはできる。つまり学校を比較することで、評価項目がどれだけ「良い・悪い」または「好き・嫌い」か、を評価することで評価の軸を形成できる。というのも大人の場合は自らが過ごしてきた学校文化への同化や反発があり、お子さんには保護者と培った家庭文化との親和性があるからだ。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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