自分の考えがなかなかまとまらない……その1[中学受験]
平山入試研究所の小泉浩明さんが、中学受験・志望校合格を目指す親子にアドバイスする実践的なコーナーです。保護者のかたから寄せられた疑問に小泉さんが回答し、実際にアドバイスを実践した結果どうなったのか?という追跡結果もお届けします。
問題文を読んだうえで、その内容を踏まえて自分の考えを記述させる問題で、(1)問題文の内容をどの程度反映させたらよいのか判断に悩む、(2)自分の考えがなかなかまとまらない、(3)文字を書くのをおっくうがり、まとまった量の文章を書けない、という点をどのように指導していったらよいでしょうか。
……このアドバイスの結果、どうなったのでしょうか!? 続きは後日、紹介します。
質問者 相談者:母学年:小学5年生 性別:男 保護者の方からみた性格:何にでも興味を持ち、やってみたがるが、慌てん坊でおっちょこちょい。 志望校:横浜国立大学付属などを検討中 |
第一回目の質問
自分の考えがなかなかまとまらない……問題文を読んだうえで、その内容を踏まえて自分の考えを記述させる問題で、(1)問題文の内容をどの程度反映させたらよいのか判断に悩む、(2)自分の考えがなかなかまとまらない、(3)文字を書くのをおっくうがり、まとまった量の文章を書けない、という点をどのように指導していったらよいでしょうか。
小泉先生の第一回目のアドバイス
「具体的に考えること」と「理由を考えること」がポイント
「問題文を読んだうえで、その内容を踏まえて自分の考えを記述させる問題」とはおそらく、論説文のあとのほうに出てくる「本文にある傍線部『○○○』について、100字以内で書きなさい」といった問いのことだと思います。問いの中の条件によって書き方が違ってくる可能性がありますので、以下のような具体的な例を用いて説明したいと思います。
「自分の考えがなかなかまとまらない」ということですが、お子さまの性格と考えあわせると、いろいろな思いやアイデアが次から次へと出てきて、「何」を「どの順番」で書けば良いのかわからなくなってしまうのでしょう。そんな場合は、具体的に考えると良いでしょう。たとえば上記の問いで言えば、身の回りの便利なものを具体的に挙げていきます。クーラー・インターネット・携帯電話などがあがるでしょうか。次に本文に従って、その便利さに反対する理由を考えます。たとえば、「クーラーにより季節を実感できない」などでしょう。制限字数が多くなる場合は、理由を二つ、三つと増やしていけば良いでしょう。
さらに「×××だが、○○○である。(○○○には自分の考えを、×××にはその反対の考え方を入れる)」といった書き方のパターンを教えておくのも良いと思います。たとえば「クーラーをつければ暑い夏でも快適に過ごせるが、風の音も雨の匂いも感じることができない。」と書くと、「クーラーをつけていると、風の音も雨の匂いも感じることができない。」よりも一段高級な文になりますし、字数もかせげます。字数が必要なら、さらに理由を加えます。たとえば「またクーラーにあたり過ぎて、体調を崩してしまう場合さえある。」となります。
本文の内容を踏まえていることを明確にするためには、筆者の意見をまとめた「便利であることにも悪い面はある」などの言葉を付けると、解答が唐突にならなくて良いと思います。
以上をまとめると、「便利であることにも悪い面はある。たとえばクーラーをつければ暑い夏でも快適に過ごせるが、風の音も雨の匂いも感じることができない。またクーラーにあたり過ぎて、体調を崩してしまう場合さえある。」となります。
お子さまは「文字を書くのをおっくうがり、まとまった量の文章を書けない」とのことですが、最初は誰でもそうです。生徒に作文を書かせると得意な子どもは喜んで書きますが、不得意な子どもはいやいやながら書いているのがわかります。それでも上記のような「書き方」を学び、自分も書けるという自信を持つと、どんどん書くようになっていきます。まずは30字、40字という短い文章からスタートして、慣れてきたら100字、200字という長い文章を書かせると良いと思います。
「問題文を読んだうえで、その内容を踏まえて自分の考えを記述させる問題」とはおそらく、論説文のあとのほうに出てくる「本文にある傍線部『○○○』について、100字以内で書きなさい」といった問いのことだと思います。問いの中の条件によって書き方が違ってくる可能性がありますので、以下のような具体的な例を用いて説明したいと思います。
問題文: | 現代文明の便利さを批判する内容 |
問: | 傍線部「便利であることの悲しさ」について、自分の考えを100字以内で書きなさい。 |
「自分の考えがなかなかまとまらない」ということですが、お子さまの性格と考えあわせると、いろいろな思いやアイデアが次から次へと出てきて、「何」を「どの順番」で書けば良いのかわからなくなってしまうのでしょう。そんな場合は、具体的に考えると良いでしょう。たとえば上記の問いで言えば、身の回りの便利なものを具体的に挙げていきます。クーラー・インターネット・携帯電話などがあがるでしょうか。次に本文に従って、その便利さに反対する理由を考えます。たとえば、「クーラーにより季節を実感できない」などでしょう。制限字数が多くなる場合は、理由を二つ、三つと増やしていけば良いでしょう。
さらに「×××だが、○○○である。(○○○には自分の考えを、×××にはその反対の考え方を入れる)」といった書き方のパターンを教えておくのも良いと思います。たとえば「クーラーをつければ暑い夏でも快適に過ごせるが、風の音も雨の匂いも感じることができない。」と書くと、「クーラーをつけていると、風の音も雨の匂いも感じることができない。」よりも一段高級な文になりますし、字数もかせげます。字数が必要なら、さらに理由を加えます。たとえば「またクーラーにあたり過ぎて、体調を崩してしまう場合さえある。」となります。
本文の内容を踏まえていることを明確にするためには、筆者の意見をまとめた「便利であることにも悪い面はある」などの言葉を付けると、解答が唐突にならなくて良いと思います。
以上をまとめると、「便利であることにも悪い面はある。たとえばクーラーをつければ暑い夏でも快適に過ごせるが、風の音も雨の匂いも感じることができない。またクーラーにあたり過ぎて、体調を崩してしまう場合さえある。」となります。
お子さまは「文字を書くのをおっくうがり、まとまった量の文章を書けない」とのことですが、最初は誰でもそうです。生徒に作文を書かせると得意な子どもは喜んで書きますが、不得意な子どもはいやいやながら書いているのがわかります。それでも上記のような「書き方」を学び、自分も書けるという自信を持つと、どんどん書くようになっていきます。まずは30字、40字という短い文章からスタートして、慣れてきたら100字、200字という長い文章を書かせると良いと思います。
……このアドバイスの結果、どうなったのでしょうか!? 続きは後日、紹介します。