保護者が最重視する志望校選択事項は? その4[中学受験]

これまでの分析では学校ランクごとに差異が出ていたが、保護者アンケートでは、どの学校ランクでも全体としてほとんどの「保護者が最重視する志望校選択事項」で、ほぼ同じ%になっていた。
今回は、「保護者が最重視する志望校選択事項」について先生方の予想が、各学校ランクごとに、どのような特徴や傾向があるかを分析する。また、学校アンケートの「保護者が最重視する志望校選択事項」(予想)と、保護者アンケートの「保護者が最重視する志望校選択事項」(実際)を比較すると、学校ランクごとにどのような違いがあるかを分析してみたい。

【図 ランクごとによる「学校のイメージ・教育サービス」の中で重視されると予想する事項(学校アンケート)】
ランクごとによる「学校のイメージ・教育サービス」の中で重視されると予想する事項(学校アンケート)


【図】は保護者に重視されると学校が予想する事項の1位だけを学校ランクごとに集計したものである。学校ランクごとでは、「5.教育方針」はABランクが47%と高く、CDランクが29%と低い。「6.校風」はABランクが7%と低く、CDランクが21%と高い。「1.全般的な評判」と「8.大学合格実績」は、ABランク、CDランク、EFランクで、ほとんど%が同じで、「5.教育方針」と「6.校風」は学校ランクで%は異なるが、「5.教育方針」と「6.校風」を加算するとABランク、CDランク、EFランクは54%、50%、55%でほとんど%が同じになる。「5.教育方針」と「6.校風」でどちらを重視するかの違いはあるものの、学校ランクごとの違いは少ないと言える。

保護者アンケートの結果と学校アンケートの結果を比べ、学校ランク・事項ごとに差を取ることで保護者と学校のズレを調べることができる。志望校選定で最重視する事項の1位で、保護者と学校の%の差が大きいのは、ABランク校の「6.校風」(26%)「1.全般的な評判」(-16%)「5.教育方針」(-14%)、CDランク校の「1.全般的な評判」(-18%)「8.大学合格実績」(-11%)、EFランク校の「6.校風」(15%)「7.男子・女子・共学校」(14%)「1.全般的な評判」(-17%)「5.教育方針」(-10%)となる。
志願者と学校のズレという観点ではABランク校が最も大きく、CDランク校が最も小さく、EFランク校はABランク校とCDランク校の中間であった。保護者または学校を学校ランクごとに比較しても、保護者が最重視する志望校選択事項の差は少ないが、同じランクでの保護者と学校では大きな差があることがわかる。

また、「1.全般的な評判」は重視するが、「6.校風」はそれほど重視しない学校が多いことから、学校案内では、学校の評判を気にするあまり、明確に学校の内容を公表することを避け、校風についても受験生・保護者にわかりやすく説明していない現状がうかがえる。これが「学校案内はわかりにくい」という保護者からの声と一致する。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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