もう一つの学校数最多のゾーン[中学受験]

前回、学校側の回答は、生活面・学習面ともに中間ゾーンが最多であることをお伝えした。実は、その中間ゾーンと同じ最多の学校数ゾーンがもう一つある。それは生活面は自主性重視であるが、学習面は厳しくしている、という変化球(?)のゾーンである。
学校側の回答は、すべて中間であるという前回のゾーンと、今回の自主・学習重視タイプが最も多い。
しかし、保護者の人気から言うとこのゾーンは4番手で12%の支持率しかない。全中間タイプのほうも支持率は10%しかないので、学校側の多さに比べ支持する割合は決して高くない。

ももう一つの学校数最多のゾーン[中学受験]


具体的に、変化球ゾーン(生活面は自主性重視であるが、学習面は厳しくしている)の校名を挙げてみよう。
男子校は獨協中学校、武蔵工業大学付属中学校(以上東京)。女子は大妻中野中学校、学習院女子中等科、目白学園中学校、立教女学院中学校(以上東京)、神奈川学園中学校、清泉女学院中学校、捜真女学校中学部、日本女子大学附属中学校、横浜国際女学院翠陵中学校、横浜女学院中学校(以上神奈川)。共学校は江戸川学園取手中学校(茨城)、片山学園中学校(富山)、成城学園中学校、玉川学園中学部、法政大学中学校(以上東京)、西武学園文理中学校、獨協埼玉中学校(以上埼玉)となる。
共学校では江戸取や西武文理などに並んで玉川や成城学園、獨協埼玉などがあるのを見ると、とても同じタイプには見えないものの、学校としてはいずれの学校も生活面は自主性重視で、学習面は厳しくしていると考えているのは興味深い。学校の体質では相当の違いがあって、前者(江戸取、西武文理)がオーナーのトップダウン型、後者(玉川、成城学園、獨協埼玉)が教員集団のボトムアップ型なので、かなり肌合いが違う。女子校の中では日本女子大附などや捜真、清泉、さらには学習院女子など確かに自主的かつ学習面重視という典型校が見られる。ただ、立教女学院などは大変な伝統校で精神面重視と世間から見られているので、ややギャップを感じるかもしれない。

いずれにしてもこのゾーンは最多の学校数であるので、学校のトレンドとも言うべきなのがこのタイプなのだろう。保護者のかたの支持が少ないのはこの組み合わせを望んでいないのではなく、想像がしにくい面もあるかもしれない。つまり勉強をさせる学校であるということと、生活は自主性重視であるということがうまく像を結ばない、ということではなかろうか。しかし、特に先に示した女子校などはうまく実践している学校ではないか、と思う。ただそれらは日本女子大学や学習院大学といった名門大付属という事情もある。つまり進学校ではどうしても受験対策という学習イメージがあって、こうしたタイプを望みにくいようだ。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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