教育理念・方針について【中学受験の基礎知識】

多くの私立中学校には創立の理念に基づく教育理念があります。
標語や文章として表される言葉だけのものではなく、実際に学校の雰囲気となってベテラン教員から若手教員へ、先輩から後輩へと受け継がれています。


それはたとえば、次代を担うリーダーの育成であったり、社会や人々に貢献できる人材を育てることであったり、豊かな教養を身に付けることであったり、自立した女性のための女子教育であったり……と実に多様なものがあります。

教育環境とは不思議なもので、教える側も生徒側も自分たちが次代のリーダーにならなければいけないと思いながら学校生活を送っていると、実際にそれに相応しい自覚と努力が自然と身に付いていくものです。
それだけに中学受験においては子どもの個性や能力に合った学校を選ぶことがますます重要なのです。

また、理念の実現のためにどのようなアプローチをとるのか、というところにもその学校の特徴が現れます。
人間教育を土台としてその上に基礎学力を積み上げていくという学校もあれば、知育がすべての基礎となると考える学校や、生徒同士の人間関係を重要ととらえる学校など、学校によって優先される価値は千差万別です。

一般の公立中学校には創立者の理念による教育方針はほとんど見られません。
それに対して、私立中学校は、これらの違いを自覚的に外部にも発信している節があります。
中学校を進学実績や偏差値だけで選んでしまうと、この中学校選びの重要なポイントを見落とすことになってしまいます。