気合いを入れ直す6、7月[中学受験]

 この時期の学習面の見直しは、実は精神面においても有効である。なぜなら、夏休み前の6、7月というのは実にダレやすい時期なのである。例えば、どんなにのんびりした生徒でも2学期になれば緊迫感が違ってくるものだ。10、11月ごろの受験生の心理を考えてみればわかるが、「あと半年あれば…」というのが受験生の共通の心理であろう。また夏休みも小学校が休みであり受験に集中出来る点や、生活のサイクルが変化することなどから、やり方さえ誤らなければ持続的に質の高い学習をすることは可能である。そして勉強を「ヤルぞ!」と誓った2〜3月は、当然がむしゃらに勉強していたはずであろう。ところがその反動なのかもしれないが、エアポケットの中に入ったかのように意欲が低下してしまいがちな時期がこの6月〜7月なのである。

 受験勉強における成果は、個人の能力差ももちろんあるが、基本的には「質の高い学習をどれだけの時間持続できたか」という学習量による。特に大学受験までの試験であれば、学習量がより良い成果に比例する可能性が非常に高い。ということは、万一この時期に中だるみが生じていたとしたら、これはかなりもったいない話である。少しでも早く学習のペースを取り戻すために、2」月からの学習の成果をこの時期に振り返ることが大切なのである。そして「これもやらなくては、あれもやらなくては」という具体的な問題点が出ているのであれば、それは勉強の成果であることや、今の時期であるならば歓迎すべき現象であることを、理由とともに説明してあげたい。やればやるほど新たな問題点が出てきて不安になっているお子さまにとっては、タイムリーな励ましの材料になるであろう。

プロフィール


小泉浩明

桐朋中学・高校、慶応大学卒。米国にてMBA取得後、予備校や塾を開校。現在は平山入試研究所を設立、教材開発など教務研究に専念。著作に「まとめ これだけ!国語(森上教育研究所スキル研究会)」などがある。

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