具体的な問題点が見えてきたか?[中学受験]

 2月を本格的な受験のスタートと考えれば、すでにスタートから4ヵ月が過ぎようとしている。目標をしっかり定め、毎日きっちり勉強しているお子さまも多いとは思うが、このあたりで学習状況をチェックする必要がある。
この時期の大切なチェックポイントの一つとしては、そろそろ「具体的な問題点が見えてきたか?」ということであろう。本格的な勉強を始める前と今では、お子さまが抱えているであろう問題点の質が違ってきているはずなのである。どのように違ってきているのかというと、おそらく疑問点や解決すべき点がより“具体的”になってきているはずだ。

 例えば算数の場合を考えてみよう。以前は「文章題が苦手だ」とか「応用問題になると手が出ない」など、かなり問題点が漠然としていたのではないか?ところが学習がすすんでいる生徒は、「比の使い方がよくわからない」とか、「図のかき方がヘタだ」という具合に、問題点が非常に具体的になってきていると思う。もしそうなっているのであれば、これは大きな進歩であると言える。なぜなら、勉強は「どうしよう、どうしよう」と悩んでいるだけではなく、なんらかの方針を決めてやり始めると、新しい局面が見えてくるものだからである。そこでは悩んでいた問題は解決するかもしれないが、新たな疑問も出てくる。問題点はより具体的になり、その数は増えることはあっても減ることはないかもしれない。そして次の局面へと続くわけだが、この繰り返しが学力の上昇となり、志望校合格へとつながっていくのである。つまり問題点がより具体的になっているのであれば、良い方向で受験勉強をしている可能性が高いということである。

プロフィール


小泉浩明

桐朋中学・高校、慶応大学卒。米国にてMBA取得後、予備校や塾を開校。現在は平山入試研究所を設立、教材開発など教務研究に専念。著作に「まとめ これだけ!国語(森上教育研究所スキル研究会)」などがある。

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