2008年度理科・社会入試トレンド
2008年度に出題された問題の中で特に注目される問題、新傾向問題、これまでに出題された問題の発展型、定番化しつつあると考えられる問題について取り上げました。2009年度入試に役立てていただけると幸いです。
■2008年度入試からみた、今後の理科入試トレンド
*問題文は編集の都合上抜粋し、一部表記を改めているものがありますが、内容に変更はありません。
■地球温暖(おんだん)化・異常(いじょう)気象
環境に関する問題は、2008年度入試で出題例が最も多く、注目されました。今後も多くの学校で出題されると思われます。海面上昇(じょうしょう)・台風との関係・二酸化炭素濃度(のうど)の上昇などさまざまな原因と引き起こされる結果について問われています。
問題1 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
(早稲田実業学校中等部) |
問題1の考え方と答え |
問1の答え |
ア・エ |
考え方 |
ア 北極海の氷は海にうかんでいるので、海面上昇への影響(えいきょう)は少ないと考えられています。 エ 地球上の水分は循環(じゅんかん)しているので蒸発量と降水量は等しく、海面上昇には影響しません。 |
問2の答え |
エ |
考え方 |
海面が上昇すると海岸線が上がるので、砂浜の面積が減少します。 |
問3の答え |
b (例) 日本には植物が多くあり、光合成による夏と冬の二酸化炭素濃度の差が大きいから。 |
考え方 |
グラフの低い部分は植物の光合成が盛(さか)んな夏で、高い部分は多くの植物の葉が落ちる冬です。 |
問題2 | ||||||||||
地球が温暖化(おんだんか)すると台風の勢力が強くなると考えられています。なぜ台風の勢力が強くなると考えられるのですか。もっとも適当なものを下のア~オから選び、記号で答えなさい。
(麻布中) |
問題2の答え |
イ |
問題3 | ||||||
昨年(2007年)の夏は全国的に非常に気温が高い日が続きました。暑さのめやすとして「真夏日」や「熱帯夜」という語句が使われていますが、昨年から最高気温35℃以上の日を「( 1 )日」というように決められました。8月には( 2 )℃を記録し、日本で一番高い気温の記録が74年ぶりに更新(こうしん)されました。このような暑い日が続いたのは、「ラニーニャ現象」、「フェーン現象」、近年大都市で問題となっている「( 3 )」が関係していたといわれています。
(高槻中) |
問題3の答え |
問1 猛暑 問2 イ 問3 ヒートアイランド |
考え方 |
岐阜県多治見市と埼玉県熊谷市で観測史上最高の40.9℃を記録し、山形市で観測された40.8℃を74年ぶりに更新しました。また、これまでは最高気温35℃以上の日を「猛暑日(もうしょび)」・「酷暑日(こくしょび)」などと呼(よ)び方が統一されていませんでしたが、「猛暑日」と呼ぶように統一されました。 |