つまずきやすい四則混合の計算 克服するコツは?

  • 学習

「たし算、ひき算、かけ算、わり算」は算数・数学の基本ですが、「たし算、ひき算、かけ算、わり算」が混ざった四則混合計算は、テストでも差がつきやすい問題です。そこで今回は、つまずきやすい四則混合の計算を克服するコツについてご紹介します。

この記事のポイント

計算する順番は「カッコいいジョウ かけっこワルツ」

まず「たし算、ひき算、かけ算、わり算(四則)」が混じった計算(四則混合の計算)は、計算する順番があります。次の計算式を例に考えます。

  • 4+5×3=?

四則の計算する順番を考えずに、左から順番に「たし算、かけ算」をすると答えは「27」になりますが、これは間違いです。
四則の計算する正しい順番は「かっこの中・るい乗→かけ算・わり算→たし算・ひき算」なので、先ほどの例の正しい計算結果は「19」となります。つまり四則混合の計算を克服するには、まず【計算の順番】を間違えないようにすることです。

では計算の順番を間違えないようにするにはどうすればよいかというと、「無理に暗算しようとせずに、一つの計算ごとに途中式を書く」ことです。
つまり先の例でいうと「4+5×3=4+15=19」というように、一つの計算の結果がわかるように書くことです。

算数・数学が苦手なお子さまの場合、計算する時間や手間を面倒がって、暗算をしたり途中式を省略したりしがちです。しかし計算過程を暗算や途中式ではぶいてしまうと、どこで計算を間違えたのかの見直しがしづらく、いつまでたっても自分でも誤りに気付けないので、最初のうちは途中式をていねいに書いて計算するように促しましょう。

また計算する順番が覚えられないときは、ゴロ合わせで覚えて、ゴロを頭の中で再生しながら確実に計算するようにするとよいでしょう。

  • ・「かっこの中・るい乗→かけ算・わり算→たし算・ひき算」の順番に計算
  • ・1つの計算ごとに途中式を書いて、計算順序が正しいかを常に確認
  • ・計算の順番をゴロ合わせで覚える

よく間違える「マイナスの符号」の計算に注意する

さらに中学校での四則混合の計算では、負の数の計算、マイナスの符号のつく計算が出てきます。負の数の計算では次のような式での間違いが目立ちます。

  • —3=?  (—3)=?

上で示した例の答えは「—3=—9」「(—3)=(—3)×(—3)=9」となりますが、このような間違えやすい「るい乗」の計算には注意が必要です。
また、式の途中でマイナスとすべきところをプラスにしたりするケアレスミスもよく見られます。そのため、やはり面倒がらずに途中式をていねいに書いて、符号だけを追って見直すような検算も必要になってきます。

中学で出題される四則混合の計算は式自体が長くなるので、途中式をはぶきたくなる気持ちはよくわかります。しかし途中式をはぶくことで、さらに数学が苦手になるので、遠回りなようでも途中式を書く習慣を身につけたいものです。

  • ・間違えやすい「マイナスの符号のるい乗」を復習
  • ・途中式で、符号だけを追って見直す習慣をつける

「わり算は分数」にすると計算しやすいことも

また、四則混合の計算で「わり算」が入っていると、苦手に感じるお子さまも見受けられますが、「わり算は分数」にしたほうが計算しやすいこともあります。

たとえば図のような計算の場合、いきなり計算せずにまず「分数」の形に変形させると、式が約分でき計算が簡単になります。
特に高校入試で出題される四則計算には、分数や小数、平方根も混ざった計算問題もあるため、計算する順番を守りつつ、まずは計算しやすい式の形に変えるといった工夫も必要になってきます。

  • ・わり算は分数の形に

まとめ & 実践 TIPS

「たし算、ひき算、かけ算、わり算」が混ざった四則混合計算は、算数・数学の基本です。間違わないようにするために「途中式を書いて見直す」習慣をつけていきましょう。

株式会社プランディット 数学課 鈴木
編集プロダクションの株式会社プランディットで、進研ゼミを中心に、小学校から高校向けの算数・数学の教材編集を担当。

プロフィール



1988年創業のベネッセ・グループの編集プロダクションで,教材編集と著作権権利処理の代行を行う。特に教材編集では,幼児向け教材から大学入試教材までの幅広い年齢を対象とした教材・アセスメントの企画・編集を行う。

  • 学習

子育て・教育Q&A