親野先生に聞いた!ケアレスミスをなくすために家庭でできることとは?同じ間違いはもう繰り返さない!
- テスト対策
解き方は合っているのに計算を間違える、単位を書き忘れる、同じような漢字の書き間違いを繰り返す。こうしたケアレスミスは本人にとっても悔しく、「これができていれば○点だったのに」などと点数を上乗せしてみたりすることも…。でも、こうした悔しさは意外とすぐに忘れてしまうもの。どうすればミスを減らすことができるのか、教育評論家の親野智可等先生にお聞きしました。
この記事のポイント
間違いを分析してポイントを自覚させる
ケアレスミスを減らすには、なんと言っても見直しが大事です。しかし、子ども任せにしているとあまり効果が見られないかもしれません。
子どもは、何問間違えたということは気にしても、なぜ間違えたのか、どんな間違いが多いのかまでは意識していないことが多いのです。ですから見直しは親子一緒に。大人が間違えた点を確認して、分析することで、1回のテストに点数以上の価値が生まれるでしょう。
子どもがテストでやりがちなケアレスミスには、計算間違いや送り仮名のつけ忘れ、問題の書き写しの間違い、単位の勘違いなどがあります。問題の読み間違いや早合点、自分で書いた数字や桁を見間違えることも少なくありません。見直しを習慣にしていくと、起こりやすいミスの傾向が見えて、自覚できるようになっていきます。
漢字のトメ、ハネ、単位の書き忘れなどは、子どもにしてみれば「本当は(気をつけていれば)マルだった」と感じます。見直しながら、ケアレスミスで不正解だった問題の点数を計算してみるのも、ひとつのアイディア。5点や10点上がることもあり、どのくらいもったいなかったのか具体的に実感できます。「間違いは間違い」などと言わずにつきあってみましょう。
唱えられる言葉にすると効果大!
ケアレスミスを見つけたら、どんな問題をどう間違えやすいのか紙に書いてみてください。できれば子ども自身に書かせましょう。ポイントを整理して文字にすることで記憶に残りやすくなり、目にする度に意識できます。さらに、「見直しを すれば 100点 近づくぞ」のようにテストや宿題の前に頭の中で唱えられるような調子のよい文句を決めておくのもおすすめです。
低学年のうちは、「トメ、ハネ、はらい、送り仮名」「単位に注意!」など、気をつけるポイントが比較的単純です。基本的な注意点なので、この時期に身につけておけるといいですね。学年が上がるごとに問題が複雑になるので、間違えるポイントも多様になり、見つけにくくなっていきます。ミスを発見し、傾向を分析するのは子どもだけでは難しいので、大人のサポートが必要です。
テストの見直しは、面倒なうえに自分の間違いを直視するという、子どもにとっては面白くない作業です。おうちのかたは、できるだけ明るく楽しく接しましょう。同じ間違いは繰り返すものです。「また間違えてる!」などと責めたりせず、「次は気をつけようね」と気長に、前向きに付き合ってあげてくださいね。
ケアレスミス対策のポイント
ケアレスミスの対策は、起こりやすい間違いによって変わりますが「問題の指示の大事なところにアンダーラインをひく」「単位などのキーワードを囲む」というのは、どの教科でも役立つテクニックです。少し意外かもしれませんが、名前や最初の1問目を丁寧に書くというのも効果的です。最初に丁寧な字で書くと、気持ちが落ち着きますし、その後もていねいな字で書くようになります。
雑に書いて間違えてしまう子もいます。これは漢字で不正解になったり、数字を見間違えて計算を間違えたりする原因になります。低学年のうちから、ていねいに書く習慣をつけるといいですね。なるべく暗算をしない、筆算の桁をそろえる、補助数字(繰り上がりで小さく書き添える数字)を書くなども意識しましょう。
子どもそれぞれに、どうしてうっかりしてしまうのかも、おうちのかたが想像したり子どもと一緒に考えてみてください。焦ってしまうなら「わかる問題から解く」、早く解こうとしてしまうなら「ゆっくり読んで丁寧に書く」、思い込みが強いなら「間違えているかもしれないという気持ちで見直す」などの対策も見えてきます。
これらの対策は、家庭学習から取り入れましょう。解くときに一手間かけたり、見直したりすることは、慣れていないと面倒なことですが、習慣になれば、それほど苦になりませんし、テストでも自然に実践できます。また、家庭学習ではおうちのかたが答えを確認してください。同じ問題だからできて当たり前ではなく、その都度「またできたね!」「間違えなかったね」とほめましょう。大きな花マルをつけてあげるのもいいですね。そのサポートが、注意すればいい結果が出るという実感を後押ししますよ。
まとめ & 実践 TIPS
「テストは必ず見直しを」とは、よく言われることですが、大切なのは見直し方。弱点を自覚し、おうちのかたが共有することで、もったいない間違いが減っていきます。少し手間に感じるかもしれませんが、「ケアレスミスが減れば点数が上がって見直しも楽になるよ」と励まして、親子で点数アップを目指しましょう!
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