【Q&A】奨学金 高校3年生で申請する「予約採用」と 大学等進学後に申請する「在学採用」その違いとは?

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Q:奨学金ってお金をもらえるもの? 貸してくれるもの?

奨学金は、学業に必要なお金を学生自身にくれたり(給付型)、貸しつけたり(貸与型)するものです。給付奨学金も貸与奨学金も利用するにはいくつかの条件があり、一般的には保護者の収入が一定以下、学生の成績が一定以上などとなっています。代表的な奨学金制度に文部科学省所管の独立行政法人である「日本学生支援機構」の給付奨学金と貸与奨学金があり、多くの大学生や専門学校(専修学校専門課程)生たちが利用しています。
なお、日本学生支援機構の給付奨学金は、「高等教育修学支援新制度」として授業料等減免とセットになっています。

Q:奨学金はいつでも申し込むことができるの?

日本学生支援機構の奨学金の場合、大学や専門学校に進学する前の年、つまり高校3年生の時点で申込手続きをする「予約採用」と、進学後に手続きする「在学採用」があります。どちらも手続き時期が決まっていて、決められた期間以外に手続きをすることはできません。手続きの窓口は在籍している学校なので、予約の場合は高校を通じて申し込むことになります。高校ごとに締切日が異なるため、案内を見落とさないように気をつけましょう。
なお、収入が極端に減ってしまうなど家計急変があった場合は、予約と在学とは別の枠で1年を通して申し込み可能です。

Q:「予約採用」のメリットは?

日本学生支援機構の予約奨学金の場合、例年は給付型は4~5月、貸与型は5~6月頃の申し込み。貸与型は利息の付かない第一種と、利息の付く第二種があります。
申し込み成立の通知は秋から冬にかけてでした。この通知が来ることで、入学したら奨学金を受け取れるということが進学前にわかりますから、お金の心配をせずに進学することができるのです。また、貸与型は、入学直後の「進学届」で予約内容を変更できるので、実際に入学した学校で必要な金額を選び直すことができます。貸与のキャンセルをしてもペナルティーはないため、デメリットはないと考えてよいでしょう。

なお、奨学金の受け取りは実際に入学したあとになるため、入学前に払う入学金等の費用は奨学金とは別のお金を用意する必要があります。

Q:「在学採用」のメリットは?

予約採用とは採用基準が異なります。そのため、予約採用の基準に当てはまらずに奨学生として採用されなかった人も、在学採用では採用される可能性があります。予約の家計基準は世帯人数と奨学金の種類で決まっていましたが、在学は学校種別(大学・専門学校等の別、国公立・私立の別)、通学形態(自宅か自宅外なのか)で細かく設定されていて、予約採用よりも家計基準が緩やかになっていることもあるからです。

デメリットというほどではないものの、予約採用に比べると奨学金の初回受取月が1~2か月遅くなるため、何かと物入りな入学当初のやりくりはちょっぴりキビシクなるかもしれません。

Q:予約採用と在学採用、どちらを利用するほうがよい?

進学後のお金が足りないようなら、まずは高校3年生で予約採用の申し込みをするとよいでしょう。不要な場合は進学後にペナルティー無しで取り消すことができるので、少しでも資金面に不安のある人は奨学金を受ける権利を獲得しておくと安心です。
予約で採用されなかったけれど、やっぱり奨学金を受けたいという場合は、進学後に在学採用を申し込むようにします。どちらがよいのかということではなく、2段構えで考えるとよいでしょう。

菅原直子

「らいふでざいん菅原おふぃす」代表。ファイナンシャルプランナー、教育資金コンサルタント。子育て世帯の教育費を中心としたライフプラン相談、進学資金が不足している高校生と保護者向けの教育資金セミナーおよび親が老後破産しないためのアドバイスに注力中。「子どもにかけるお金を考える会」メンバー。子どもは3人。

出典:
独立行政法人日本学生支援機構
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/index.html

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メンバー全員が子育て経験を持つ女性FPのグループ。各自の子育て経験や得意分野を活かして、消費者向けのセミナーや相談業務、執筆、監修などを手掛けている。教育資金に関する情報発信の機会も豊富。

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