1人1台はまだ遠く 教育用コンピューターの設置の自治体格差はどうなる
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文部科学省が毎年まとめている公立学校の「教育の情報化」実態調査の最新結果(2014年度)によると、教育用コンピューター1台当たりの児童生徒数は6.4台と、実質一人1台環境となる3.6台の整備目標(2017年度まで)には、程遠いのが現状だ。また、自治体による格差も懸念される。ベネッセ教育情報サイトが教育ジャーナリストの渡辺敦司氏に解説してもらった。
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都道府県別の整備状況をみると、依然として改善が進まない県があります。情報機器の整備費用が、地方交付税で措置されていることが大きな要因です。補助金と違って使い道が限定されていないため、各自治体が独自に予算を組まなければならず、財政のやり繰りに悩む地方では、他の予算に使われてしまうことが少なくないからです。
一方で、情報教育の重要性と情報機器の整備の必要性は、ますます高まっています。次期の学習指導要領(小学校は2020年度、中学校は2021年度、高校は2022年度新入生から実施予定)の基本方針を示した「論点整理」でも、急速に進む情報化社会への対応はもとより、決まった問題を解けるだけでなく、「膨大な情報から何が重要かを主体的に判断し、自ら問いを立ててその解決を目指し、他者と協働しながら新たな価値を生み出していくこと」が重要だとしています。改訂の目玉とされるアクティブ・ラーニングにしても、タブレット端末のようなICT機器があれば、学習がより進めやすくなるといいます。授業で使いたい時にいつでも使えるようにするためには、実質一人一台の環境が不可欠なのです。
もっと現実的なのが、高大接続改革の一環として進められている、大学入学者選抜の改革です。大学入試センター試験に替わる「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」では、次期指導要領の下で行われる2024年度から、コンピューター使用型テスト(CBT)を実施したい考えです。各自治体には、先を見通した先行投資として、機器の整備に取り組むよう求めたいものです。
出典:「教育の情報化」 自治体格差がブレーキに!? -ベネッセ教育情報サイト
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