スマホで体調不良になる女子高生 自治体のルール策定はむしろ歓迎
自治体が統一ルールを策定する動きが全国で広がりつつあるが、スマホが手放せなくなっている子どもたちにとっては迷惑な話なのかと言えば、そうとばかりは言えないようだ。昨今、指摘されている子どもの「スマホ疲れ」について、ベネッセ教育情報サイトでは、教育ジャーナリストの渡辺敦司氏に伺った。
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有害情報を遮断するフィルタリングサービスを提供している情報セキュリティーメーカーの「デジタルアーツ」は、スマホを持つ小学4年生から高校生の子どもを対象に継続的な調査を行っており、先頃8回目の調査結果を発表しました。今年6月現在で、1日当たりの平均利用時間は2.5時間で、前回調査の今年1月時点よりも0.5時間減少、とりわけ高校生女子は、今回は平均使用時間が5.5時間に減少し、15時間以上使用の割合も6.8%と、15人に1人程度に縮小しています。
一方、「寝不足で注意力散漫になった」「頭痛等の回数が増えた」「食欲がなくなった」「イライラするようになった」などと心身の不調を訴える声が、前回の約2倍に増加したと言います。手放せないスマホにヘトヘトになり、結果として使用時間が減ったとも考えられます。フィルタリングも、中高生では女子の使用率が増加し、同社では、学校や地域での普及啓発活動が功を奏した結果と見ていますが、中学生男子は使用率が減少していますから、生徒自身が実感を伴ってフィルタリングの必要性を認識しているのかもしれません。
これに対して、小学生ではスマホの普及に伴って、フィルタリングの使用率が40.1%と、半数を一気に割りました。おそらく今後、小学生にも無料通話・メールアプリのLINE(ライン)などの使用が当たり前になっていくと見られますが、高校生にスマホ疲れ・スマホ離れの傾向が表れる一方で、スマホ疲れが低年齢化していくとしたら心配です。
自治体などのスマホ統一ルールに関して、歓迎する子どももいるという指摘もよく聞かれます。周りの子に合わせるために、受信後すぐに返事をしなければならない「即レス」や、読んだのに返信しない「既読スルー」と思われないため返信に追われるといった連鎖に、子どもたち自身も疲れているのです。
出典:子どもに「スマホ疲れ」? 女子高生も使用時間が減少 -ベネッセ教育情報サイト