意外と危険な子どもの水遊び 川での事故が半数以上

いよいよ夏休みの季節がやってきました。夏といえば、子どもにとって水遊びは最大の楽しみの一つでしょう。しかし、水には危険も伴います。水難事故などの危険から子どもを守る参考とするため、今回は警察庁の調査結果から、水難事故防止のポイントなどを探ってみましょう。


警察庁のまとめ(外部のPDFにリンク)によると、2014(平成26)年中に発生した水難事故の「死者・行方不明者」は740人でした。中学生以下の子どもに限ると、水難者は223人、そのうち「死者・行方不明者」は55人となっています。水難事故による「死者・行方不明者」に占める子どもの割合はあまり多くはないようにも見えます。しかし、水難による死者・行方不明者数は、全体では前年より63人減っていますが、逆に中学生以下の子どもは11人増えています。子どもの水難事故の危険性は依然として高いようです。

では、子どもの水難事故には、どんな特徴があるのでしょうか。一つめのポイントは、水難事故の場所です。死者・行方不明者が出た場所は、全体では「海」が47.4%と最も多く、続いて「河川」が33.6%などでした。全体的に見ると、水難事故で危ない場所は「海」ということになります。ところが中学生以下の子どもに限ると、「河川」が52.7%、「海」が25.5%、続いて「湖沼地」「用水路」「プール」などの順で、河川が半数以上を占めているのが大きな特徴です。

二つめのポイントは、死者・行方不明者の事故時の行為です。全体では「魚とり・釣り」がトップですが、中学生以下の子どもの場合は、「水遊び」が58.2%で半数以上を占め、「水泳中」や「ボート遊び」などを大きく上回っています。「水泳」などが重大な水難事故につながるのではなく、水深が深いところなどに行くことを想定していない「水遊び」が子どもの事故のきっかけになっているようです。
つまり子どもの重大な水難事故は、海やプールなどではなく、川や沼などでの水遊びの最中に起こりやすいということになります。自宅近くのよく遊びに行く場所だから、水泳はしないからなどという油断が、子どもの水難事故を招くことになりかねないともいえるでしょう。

子どもの水難事故防止のため警察庁は、子ども一人で水遊びをさせない、幼児や泳げない子どもにはライフジャケットを着用させるなどのほか、河川での水遊びや魚とりなどでは流れの激しい場所、深みのある場所、岸から転落しやすい場所などをあらかじめ把握しておき、これらの危険な場所に子どもを近付けないようにすることを呼びかけています。
大人が付き添うことも大切ですが、水難事故の死者・行方不明者の44.3%が「65歳以上」で占められていることも注目されます。

子どもの水難事故では事故防止がいちばん重要です。同時に万一事故に遭ったり、目の前で事故が起こったりした時に、どんな行動を取ればよいのかを、大人も子どもも普段から話し合っておくことも必要かもしれません。


プロフィール


斎藤剛史

1958年茨城県生まれ。法政大学法学部卒。日本教育新聞社に入社、教育行政取材班チーフ、「週刊教育資料」編集部長などを経て、1998年よりフリー。現在、「内外教育」(時事通信社)、「月刊高校教育」(学事出版)など教育雑誌を中心に取材・執筆活動中。

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