いまさら聞けない!?うるう年にまつわるルール

通常、2月は28日までしかありませんが、4年に一度の「うるう年」では、29日が設けられますね。しかし、「なぜ2月は1日増えたり減ったりするの?」とお子さまに聞かれて、「うるう年って何だろう?」と考えてみたことはないでしょうか。今回は、うるう年のメカニズムを解説します。

 

暦を調整するために考えられた、さまざまな工夫

 現在の日本で使われている「太陽暦」の1年は、365日とされていますね。これは地球が太陽のまわりを1周するのにかかる日数ですが、実は1年につき6時間ほど足りません。そのため4年経つと、6時間×4=24時間、つまりあと約1日分の時間が、地球が4年前にいたもとの位置に戻るために必要になるのです。

 そこで、紀元前1世紀に太陽暦を使い始めたローマでは、「西暦の年号が4でわりきれる年」をうるう年と定め、4年に一度、1年の日数を1日増やして調整するようにした…というわけです。

 ただ、この調整は完璧なものではありません。本当のズレは6時間ではなく5時間49分なので、うるう年を設定したことで、実は1年につき約11分の増やしすぎになっています。

 そのためさらなる微調整が必要になり、16世紀に例外として「西暦の年号が100でわりきれる&400ではわりきれない年」は、うるう年にはならないというルールができました。

 本来、400年が経つと、11分×400=4400分≒73時間、つまり約3日分の時間が増えてしまいます。そこで、うるう年を3回減らすことで、約3日分の時間を減らすことにしたのです。

 たとえば、西暦2100年、2200年、2300年などは、例外に当てはまるため、うるう年にはなりません。西暦2400年は100で割り切れますが、同時に400でも割り切れるので、例外には当てはまらず、うるう年となります。なかなか複雑なシステムですね。

 

 

意外と知らない!? うるう年に関する豆知識

 それでは、うるう年はなぜ2月にあるのでしょう? それは「2月が一番短い月だから」という理由だけではありません。古代ローマの1年は現在の3月から始まり、2月で終わりを迎えていました。そのため、わかりやすく最後の月となる2月に、うるう年を設定した、とされています。

 また、2月29日生まれの人が、4年経たないと年をとらない…という事態が起こらないのにもちゃんとした理由があります。日本の法律では「年齢が増えるのは、誕生日の前日の24時」と定められていますから、毎年2月28日の終わりにきちんと1歳年をとるのです。

 

 いかがだったでしょうか。うるう年は人が正確に時間を決めようとした偉業の現れかもしれませんね。

 

参考:

デイヴィッド・E・ダンカン 松浦俊輔訳『暦をつくった人々』(河出書房新社)

江口鳳祥『このみの基本学』(株式会社神宮館)

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