春の訪れを告げる、ふきのとうを楽しもう
雪解けの土の中から顔をのぞかせるふきのとう。まだ気温も低く、冬の寒さも感じられる気候の中、雪の間から顔を出しているふきのとうの芽を見つけると、宝物を発見したかのような誇らしい気持ちになります。春の訪れを真っ先に感じて顔を出したふきのとうは、とてもかわいい見た目をしていますよね。それだけでなく、食材としても楽しめるのも魅力的です。
ふきのとう
ふきのとうを見かけると、「もうすぐ春なんだ」と、新しい季節の予感で胸がいっぱいになります。最近では技術開発のおかげでスーパーでもよく見かけるようになりました。
ふきのとうは、日本原産の山菜の一つで、キク科フキ属の多年草です。全国の水が豊富で風があまり強くない土地を好んで繁殖しています。たとえば、山では沢や傾斜になっているところ、河川の中州や川岸、土手、用水路の周辺などで多く見つけることができるでしょう。
ふきのとうはつぼみの部分にあたり、この花が咲いた後には地下茎から伸びる葉のふきが出てきます。
ミネラルや食物繊維が豊富で、香りと苦味が特徴的です。旬は2~3月の間です。そのため、ふきのとうは春一番の山菜です。
ふきのとうのいただき方
東北地方ではふきのとうのことを「ばっけ」と呼び、天ぷらやおひたしにして食べたり、味噌と一緒に混ぜて「ばっけ味噌」を作り、おにぎりに入れたりして食べる習慣があります。
また、春になって大きく育つ直前の芽の状態が天ぷらにはちょうどいいとされています。つぼみが固く、葉が開いていないものを選ぶのがコツ。若芽(わかめ)に蓄えられたエネルギーが独特の香りや苦味となり、寒い冬の間にこわばっていた体をめざめさせ、新陳代謝を促します。
ただ、ふきのとうはあくが強い食材です。調理前にはあく抜きをする必要があります。そのあくの強さから、切るとすぐに断面が茶色くなるので、切ったらすぐに水につけるようにしましょう。
春を告げる、さわやかな苦味をぜひ楽しんでください。