2015年度はどうなる!? 激変する教育動向を専門家が解説!
昨年(2014<平成26>年)末は中央教育審議会で学習指導要領を全面改訂するための検討が始まるとともに、大学入学者選抜と高校・大学教育を一体で改革するための答申がまとまった。15(同27)年は、具体的検討が進んでいくことが予想される。教育ジャーナリストの渡辺敦司氏に詳しく伺った。
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大学入試をめぐっては12月の答申で、大学入試センター試験に代わる「大学入学希望者学力評価テスト」(仮称)で知識・技能を活用する力を中心に問うとともに、テスト結果は段階別表示にして、各大学が教育の特色に応じて調査書や活動報告書、面接などを組み合わせて多元的に入学者を選抜するとしています。また、「合教科・科目型」「総合型」の出題も行うとしていますが、見通しは明確ではありません。
学力評価テストの導入は20(同32)年度以降ですが、17(同29)年度にもプレテストの準備に入りたい考えです。そして指導要領の全面改訂の論議では、新たな高大接続改革でも求められるような、21世紀に必要な知識・技能や思考力・判断力・表現力、そして主体性・多様性・協働性とは何なのかを定めることが課題となります。教科の枠を超えた、かなり大胆な改訂方針が夏頃をめどに提示されるものと見られます。
学力評価テストは今の小学6年生から、指導要領の全面改訂も今の小学2年生が高校に入学する22(同34)年度入学生からが対象です。しかし、それ以上の学年にとっても決して無縁ではありません。個別大学の入試改革は2016(平成28)年度の選抜から始まる見通しですし、思考力・判断力・表現力等は現行の指導要領でも育成を目指している能力です。中教審などの審議が進むに従って、現行の授業などにも大きな影響を与えることでしょう。
出典:「21世紀」のカタチが見える!? 2015年の教育論議 -ベネッセ教育情報サイト