フタを開ければ2割弱 土曜授業はなぜ実施されないのか?
今春から文部科学省が実質的に解禁した公立学校の土曜授業。しかし、実際に実施している学校は公立学校全体の16.3%と、2割を下回る状況だという。これからの土曜授業はどうなっていくのだろうか。教育ジャーナリストの斎藤剛史氏に伺った。
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「土曜授業」の実施校が全体の2割未満だった原因の一つは、文科省が「土曜日ならではの取り組み」を土曜授業に求めているからです。
一般的にイメージされている土曜授業は、教育課程内の通常授業を行うものでしょう。しかし、文科省は通常授業を土曜日に実施する場合には、外部講師による講義、体験学習、発展的・補充的学習など、平日には行えない取り組みをするよう求めており、2014(平成26)年7月に文科省が指定したモデル校も、そのような取り組みをしています。
「学力向上」を求める保護者などの声が強いことなどから、モデル校などの取り組みが周知されるにしたがい、何らかの形で土曜授業に踏み切る教育委員会は今後ほぼ確実に増えるでしょう。その場合、通常授業を土曜日に実施して授業時間数を確保するにとどまるのか、それとも問題解決能力など、これからの社会で必要とされる「力」を身に付けるための多様な取り組みを、保護者や地域などと連携して実施するのか。教育委員会や学校の姿勢が問われることになるでしょう。
出典:「土曜授業」が増加 でもまだ2割以下 -ベネッセ教育情報サイト