大学への「飛び入学」 日本で広がらない理由とは?

大学への「飛び入学」 日本で広がらない理由とは?女子スキージャンプの高梨沙羅選手(17)が日本体育大学に「飛び入学」で合格したことや、京都大学が2016年度入試から医学部に飛び入学を導入することが、話題となっている。1998年度の大学入試から、まず物理と数学の2分野で飛び入学制度が実施され、2001年にはすべての分野で可能となった。欧米では認知されている飛び入学制度は、なぜ日本では広がらないのだろうか。教育ジャーナリストの斎藤剛史氏に話を伺った。

 

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飛び入学制度を実際に設けている大学は、千葉大学、会津大学、名城大学、成城大学、エリザベト音楽大学、日本体育大学(2014年度から導入)しかありません。1998年度から2013年度までの飛び入学者数は合計106人、大学でも3年生から大学院修士課程への飛び入学が1989年に制度化されており、文部科学省によると2011年度に実施したのは50大学、計219人でした。

 

日本で飛び入学が広がらない理由の一つに、学歴の問題があります。大学への飛び入学後に中退すると、学歴的には「中卒」となってしまいます。また、スポーツや芸術などの分野を除けば、みんなと違う道を歩むリスクに対する不安や懸念もあるでしょう。教育関係者の間には、子どもの人格形成という面から飛び入学を批判する意見も根強くあります。

 

政府の教育再生実行会議、文科省の中央教育審議会などで、高校の「早期卒業制度」の創設が検討課題にあがっているのも、グローバル社会の国際競争に勝つ人材を育成するためです。飛び入学を拡大させるには、特別な才能や能力を伸ばすためにリスクを取ることを恐れない個人の覚悟、そしてそんな生き方を許容する社会の意識が必要です。飛び入学の拡大は単なる制度の問題ではなく、無意識のうちに皆と同じように行動することを是とするような、日本の社会の在り方そのものが問われているのかもしれません。

 

出典:「飛び入学」「早期卒業」の意外に大きい意識の壁 -ベネッセ教育情報サイト

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