卒業アルバム・卒業文集 「学校での我が子」がかけがえのない1冊に
アンケート期間:2014/2/19~2014/2/25 回答者数:1368名
アンケート対象:本サイトメンバー 中学生以上の保護者のかた
※百分比(%)は小数点第2位を四捨五入して表示した。四捨五入の結果、各々の項目の数値の和が100%とならない場合がある
6年間は長いようであっという間に過ぎ、迎えた卒業式。入学した時よりもずっと背が伸び、心の成長を感じることも多いでしょう。卒業にあたって配られることの多い「卒業アルバム・卒業文集」は、そんな思い出の詰まった1冊、大人になっても時々見返して、当時の思い出にひたることは、多くの人が経験します。巣立ちの時に記した将来の夢は、これからどうなっていくのでしょうか。
今回は、小学校の卒業アルバム・卒業文集について伺いました。
約98%が卒業アルバム・卒業文集を作成 子どもも約70%が作成に参加
小学校卒業時に卒業アルバム・卒業文集が制作されたか伺ったところ、97.8%と、ほとんどのかたが「制作された」と回答しました。卒業アルバムはほとんどのかたが、文集も7割のかたが制作され、卒業アルバムと文集が一体型という回答も3割に上りました。卒業記念冊子では写真による記録が必須となっているようです。
【図1 お子さまの小学校卒業時には、卒業アルバム・卒業文集が制作されましたか?】
【図2 「卒業アルバム・卒業文集」はどのような形態でしたか?】
では、卒業アルバム・文集の制作はどのように進められているのでしょうか。伺ったところ、「卒業アルバム・文集作成のための委員会等がつくられた」いう回答が53.9%と、半数以上に及びました。参加者には児童が加わっている場合が多いようです。一生の記念となるものですから、子どもたちの意見も取り入れようという学校や保護者の配慮を見てとれます。「娘は卒業文集委員になって、表紙など友達と一緒に作り上げたことが楽しくて、よい思い出になったようです」という声もあり、子ども自身も記念になるものの作成に関われることを楽しみにしているようですし、子どもたちの目線を入れることに大人が気を配っていると思われます。委員会がない場合では「業者が編集したようですが、学校側のチェックが甘く、子どもの学年の児童以外の写真が混在していました。編集委員会が設置されていなかったせいだと考えました」という声が聞かれました。
【図3 委員会等には誰が参加しましたか?(複数回答)】
卒業アルバムの写真 学校生活をまんべんなく
まず、ほとんどの場合に配布されている卒業アルバムについて見ていきましょう。まず、どのような写真が掲載されたかについては、個人やクラスの集合写真といった記念写真から、入学式、クラブ活動……と、学校生活のさまざまなシーンが網羅されているようです。卒業アルバムは、あくまでも学校生活の思い出を凝縮したもの、という位置付けがされているようです。
【図4 卒業アルバムに載っていた写真はどのようなものでしたか?(複数回答)】
そんな卒業アルバムですが、保護者として最も気になるのは我が子の写真でしょう。掲載されている写真について、「個人写真を撮る時にカメラマンの後ろで思いっきり笑わせていた人がいたらしく、どの子もとびっきりの笑顔でほほえましい写真でした」という回答に見られるように、プロの写真家によって上手に撮ってもらった写真を喜ぶ声が多く寄せられました。なかには「家では最近、ほとんど写真を撮っていないし(撮ってもらえてよかった)」という声も。反対に「個人写真や委員会・クラブ活動の写真を同じ日に撮ったので、すべての写真の髪形が同じで少しおかしい。もっと撮影日の重要性を認識していたら変えたのに、と後悔している」と、運の悪さを嘆く声もありました。せっかくの記念写真、悲喜こもごもの思いが見え隠れしています。
また、アルバムを見ていると、行事の写真など、我が子の写っている写真がどの程度あるのかも気になります。子どもによって掲載写真の枚数に差があると感じたかについて「感じた」保護者が42.1%、「感じなかった」保護者が57.9%と、ほぼ半々の結果となりました。「各種行事の写真で、我が子が載っている写真がほとんどなかったように思う」という回答もあり、残念ながら、不公平を感じることもあるようです。
作文、ランキング……知らなかった「学校での我が子」
次に、約7割で作成されている文集について伺いました。まず、卒業文集で印象深かったものを伺うと、やはりトップは「我が子の作文」。次に、「クラスのランキング」や「個人の紹介記事」という結果になりました。特にランキングについては、「我が子はわりと目立つほうなので、いろんなランキングにちょこちょこ名前が出ていました」「学校で自分の子どもがどのような存在だったのか、クラスでの写真や、ランキングなどで知ることができました」という回答もあるように、普段保護者があまり見ることのない「学校での我が子」を知る機会になっているようです。
【図5 作文以外で、卒業文集に載っていたものを、覚えている範囲ですべて教えてください】
【図6 卒業文集で、いちばん印象深かったものはなんですか?】
保護者がいちばん気にしている「我が子の作文」には、「小学校生活の思い出」「将来の夢」「中学生活への抱負」が書かれていることが多いようです。なかでも多かったのは「修学旅行の思い出」。小学校生活とひと口にいっても6年間と長いものであり、作文作成時から比較的近い時期の行事である、修学旅行をテーマにする子どもが多いのも納得がいきます。保護者からは「友達とはしゃいだ思い出など、普段見られない姿を垣間見た」といったように、ここでも「学校での我が子」を知る機会ととらえて目を細めている保護者が多いようです。
ただし、「入学したてのころなんて覚えていないから、結局修学旅行や6年生の運動会など画一的」という辛口の意見もみられました。しかし、なかには単なる思い出話だけではなく「このクラスでよかった。いろいろなことにみんなで協力し合い、チャレンジしてきたと書いていました」といったように、小学校生活で得たこと、感じたことを書いている子どももおり、「先生と一緒にみんなが悩み、成長していったことが作文を読んでよくわかりました」と、改めて我が子の成長をかみしめるきっかけにもなっているようです。
成長や思い出がぎっしり やっぱり必要な卒業アルバム・卒業文集
最後に、小学校の卒業アルバム・卒業文集が必要だと思うかについて伺いました。すると、95%に上る保護者が「必要」と回答しました。
【図7 小学校の卒業アルバム・卒業文集は必要だと思いますか?】
<子どもが将来思い出を振り返るきっかけになる>
●いい思い出も苦い思い出も、大人になった時に振り返ることができます。自分だけの写真は家にもあるけれど、お友達の思い出はかえがたいものです
●何年もたち、同窓会で友達に会った時などに、アルバムや文集をみんなで見て、思い出話にひたることができるのではないでしょうか
<我が子の成長を感じるきっかけになる>
●親にとっては、学校で自分の子どもがどのような存在だったのか、クラスでの写真やランキングなどで知ることができます
●6年間で、ずいぶん少年らしい顔付きに変わったなと思いました
小学校の6年間は、子どもが目覚ましい成長を遂げる期間でもあります。そんななか、学校での子どもの様子というのは、なかなか接する機会がないもの。卒業アルバム・文集は、子どもにとっての「思い出の凝縮」であると同時に、保護者にとっての「子どもの成長の証」でもあるのでしょう。なかには「たまたま写っていた保護者の外見の変化にも爆笑」という声も。親子それぞれの「成長」を確認し合うこともまた楽しいものです。
今回のアンケートでは「データDVDが配られた」というかたもいました。卒業アルバムや文集は形を変えていくかもしれませんが、我が子の成長を残しておきたい親心は、変わることがないといえるでしょう。