進化し続ける「目に見えないお金」とどう付き合うか

2012(平成24)年7月に『「目に見えないお金」のつきあい方を教える』をテーマに取り上げましたが、1年余りで状況はますます複雑になっています。前回は、携帯電話の通信料やプラスチックカードの電子マネー(楽天EdyやSuica、PASMO、ICOCAなど)を取り上げました。
今回は、プラスチックカードさえ発行しない、ネット専用の電子マネーに注目してみます。
ネット専用電子マネーは、インターネット上のサーバーで現金に相当する通貨価値を管理していて、「サーバー型電子マネー」とも呼ばれています。



実社会からネット社会での利用へ

スマートフォン(以下、スマホ)は、小さなパソコンと考えてよいほど、簡単にインターネットにつながります。スマホが普及して、わたしたちは、いつでもどこでもインターネットショッピングやオンラインゲームを利用することが可能になりました。
最近は、その支払いにサーバー型電子マネーが利用できるようになりました。

従来型の携帯電話(以下、ガラケー)でも利用できるサーバー型電子マネーはありますが、ガラケーでインターネットに繋げると利用料金が高額になる傾向にあり、スマホの普及がサーバー型電子マネーの広がりに影響していると考えられます。


サーバー型電子マネーの使い方は、
(1)コンビニエンスストアで、一定の現金を支払ってID番号の書かれたシートを購入し、そのID番号をパソコン等に入力することで支払いが完了する。
(2)オンライン上での「ウォレット」と呼ばれる仮想のサイフに一定額をチャージしておき、必要な時に利用する。チャージ方法は、クレジットカード、コンビニ収納などがある。
などです。



オンラインゲームのアイテム購入に利用

従来、インターネットショッピングの支払いやオンラインゲームのアイテムを購入するには、クレジットカード払いや銀行振込などが多く、子どもが保護者に内緒で行うのは難しいものでした。
サーバー型電子マネーを購入する際には、コンビニで現金を支払うのに本人確認もありませんし、年齢制限もありません。子どもでも自分のお小遣いを使ってサーバー型電子マネーを購入できます。
サーバー型電子マネーのID番号をパソコンやスマホに入力すれば、オンラインゲームのアイテムを保護者に知られずに購入することができるのです。



トラブルに巻き込まれるケースも

今は小学生がスマホを持っているケースも少なくありません。お小遣い全部をゲームのアイテムを購入するのに費やしてしまったり、場合によっては、信用のできないサイトに誘導されてトラブルに巻き込まれてしまってから初めて保護者が知ったりするというケースもあります。



無料通話アプリ専用の電子マネーも

サーバー型ではなく、プラスチックカードの電子マネーに分類されますが、2013(平成25)年9月に、無料通話アプリ「LINE」専用のプリペイドカードが発売されました。コンビニで手軽に購入でき、クレジットカードを持っていなくても有料のスタンプを購入できます。



進化を続ける「目に見えないお金」への対応

そのほかにも「インターネット上の国際ブランドのクレジットカード加盟店でクレジットカードと同じように使えるプリペイドカード」が発売されるなど、「目に見えないお金」は日々、進化しています。
企業が生活の利便性を求めて、技術やサービスを向上させようとするのは当然です。しかし、それが未成年の子どもたちでも簡単に使える仕組みだったり、悪意のある大人がその技術やサービスを悪用する危険性があったりするのも事実です。
親の世代にとって、技術とサービスの進化についていくことは大変難しいものですが、「知らなかった」では済まされないトラブルに発展しないように積極的に情報を収集することがどんどん大切になっていきます。


プロフィール


宮里惠子

ファイナンシャル・プランナー、消費生活アドバイザー。生命保険をはじめ、教育費関連や住宅ローンについて雑誌・新聞・Webで執筆。地域に根をはるFPを目指して、横浜市北部エリアで活動している。若い世代に対する消費者教育の必要性を強く感じている。

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