N高ってどんな学校?2万人が学び、急成長する「ネットの学校」はどんな学校なのか

急成長する「ネットの高校」として昨今話題のN高等学校、通称「N高」。6年目を迎える今年は、4月に開校したS高等学校とあわせて20,441人(※2021年8月時点)と、開校時より13倍以上も生徒数を伸ばしています。オンライン学習と年5日程度のスクーリング(実際の学校で授業を受けること)で高校卒業資格が取得できるN高とは、実際どんな学校で、何を目指しているのでしょうか。奥平博一校長先生にお話を伺いました。

2021年度 N高・S高バーチャルライブ入学式

この記事のポイント

自分で学びたいことを決める学校とは

—N高等学校(以下N高)とは、どんな学校なのでしょうか。

 通信制の高等学校ですが、従来の通信制高校というより、「ネットの高校」です。ネットを使ってどれだけ学べるかということを追求している学校であり、常に未来を考える学校として、生徒が学びたいことを主体的に学べる学校として開校しました。そういう意味では、全日制でも通信制でもない、新しい第3の基軸の学校だと自負しています。

—実際どのような子が入学しているのでしょうか?

 自分らしく効率的に学びたいと考える生徒が多いように思います。
 eスポーツやプログラミングに熱中している子、中学時代は不登校だった子、普段は外国の学校に通いながら、日本の高校卒業資格を目指す子など、生徒の顔ぶれも従来の通信制高校より多様化しています。

—従来の通信制高校とは何が違いますか?

 通信制高校は、言葉を選ばずに言えば、これまで社会的評価が高い学校ではなかったと思います。なぜかと言えば、日本の学校の評価というものは、半分以上がその学校の「進学実績」で見られていたからです。そういう意味でもN高は通信制高校のイメージを打破していると思います。進学したい生徒は進学できる、海外に行きたい生徒は海外に行ける、就職したい生徒は就職できる、そんな学校です。ただし、進学したい生徒が行きたい学校に行けるような努力は学校としても取り組んでおり、課外授業として、大学受験に強い予備校講師による授業のライブ配信や、オンラインで個別に学習計画などをコーチングするスタッフもいます。そういったことや、生徒の学力の多様性が今のN高の進学実績にも結び付いていると思います。(2020年度東大現役合格者3名)

—学びの特徴について教えてください。

 あくまで高等学校ですので、高校卒業資格を得るための「必修授業」、これは他の学校がメインの学びとしているところで、N高でも同様にあります。それとは別に、将来につながる「課外授業」を行っています。この課外授業がN高最大の特長であり、プログラミングやWebデザイン、大学受験対策や語学(英語・中国語)など、生徒が好きなだけ選択して、好きなだけ学べます。
 1つ1つの課外授業はそれぞれ特色がありますが、極端に言えば、来年はもっと増えるかもしれませんし、2年後はなくなっているものもあるかもしれません。教育というのは、未来に向けて何を学べばいいかを常に考えながら変化するものです。常に短いスパンで「これいいね」ということはどんどん取り入れています。そのため、従来の学校のように「いつ、どこで、誰と、何を、どのように学ぶのか」というものが決まっていません。何を学ぶかということは、もっと自由な選択であっていいはずです。それらをすべて課外授業として教育課程外に置くことで、制度の縛りはなく、教員免許にも縛られないので、課外授業の講師は、その道のプロに教えてもらうようにしています。それが一番実践的で、一番学びにつながると思うからです。

これからはネットだけでもリアルだけでもない

—ネットの高校としての課題はありますか?

 オンライン授業は、好きな時に好きなだけ学べるので効率がよいと思います。ただし、それだけでは続かない面もあります。それはオンラインでも「学校」としての機能です。仲間がいて、先生がいる。人間ですから、そういうのがあってこそ、学びの動機付けにもなります。
 学校という側面をどうオンラインに持たせるかは課題であり、生徒同士や生徒と先生がコミュニケーションできる場として、文化祭、職業体験などをリアルの場で用意したり、クラス、部活、友だちとネットでつながれる「Slack」※というコミュニケーションツールを活用し、ネット上に学校空間を作り出す試みをしたりもしています。オンラインとリアルを融合させることで、教育はもっともっと質が高まっていくはずです。その点はこれからも追求していきたいと思います。
 ※多くの企業で導入されているビジネス向けコミュニケーションツール。

ネットの高校はこれからどうなるか

—N高がこれから変わるところ、変わらないところを教えてください。

 変わるところとしては、課外授業のコンテンツなどは、何が増えていくかは予測がつきませんし、より多くの生徒が興味を持つものを増やしていきますので、変わり続けていくと思います。変わらないところとしては、N高はベース(土台)であって、箱の中に生徒を入れるのではなく、そのベースの上に子どもたちがやりたいこと、学びたいことをのせていくという発想です。学校という箱が先にあるのではないというスタンスは、これからも変わりません。

まとめ & 実践 TIPS

従来の通信制高校のイメージを覆す学校であり、高卒資格はICTを活用し効率的に、将来につながる学びは自分が好きなことを好きなだけ学べるというのが印象的でした。卒業生たちのこれからの活躍に注目したい学校です。

プロフィール

奥平博一

奥平 博一 / N高等学校 校長

30年以上教育関連事業に携わる。通信制高校の可能性を信じ、新しい教育の提供を使命とする。N高等学校の設立準備から参画。N中等部のスクールプレジデントを兼任。

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