子どもがなりたい職業 人気ランキング 小学生は「野球選手」「ケーキ屋さん・パティシエ」
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なりたい職業は、高校生でイッキに安定志向に
では、子どもたちは具体的にどのような職業になりたいと思っているのでしょうか。「なりたい職業」が「ある」子どもに具体的に記述してもらった結果をもとに、ランキングを作成しました。
【図2:なりたい職業ベスト10】
男子のなりたい職業は、小・中学生ともに1位「野球選手」、2位「サッカー選手」。高校生になるとかなり現実的になり、1位「学校の先生」、2位「公務員」。
女子は、小学生の1位が「ケーキ屋さん・パティシエ」、2位が「保育士・幼稚園の先生」。中・高校生の1位はともに「保育士・幼稚園の先生」ですが、中学生の2位が「芸能人」であるのに対して、高校生の2位は「学校の先生」と現実的に。
2004(平成16)年と比べ、全体に「芸能人」の人気が高まっているものの、男女ともに高校生になると安定した職業を志望する傾向は変わりませんでした。
◎ここで、高校生のグループインタビューで聞かれた、現在の夢にたどりつくまでの経緯をご紹介します。
●野球選手になりたくて、小~中学生までは野球をがんばっていたが、中2ぐらいでIT関連の仕事にも興味を覚えて、野球選手の次の候補としてとっておいた。進路を決めるとき、野球選手は無理だと思ったので、IT企業に向けて工業高校にした。(高2男)
●中学生のときは漠然としていたが、高校で柔道を始め、整体に行くようになってから、身体をメンテナンスする仕事はおもしろそうだと思った。スポーツが好きだが、自分がやるより、支えていく仕事がいいと今は思っている。(高2男)
●小学生ぐらいまでは、お花屋さん、パン屋さんなど、何かを見て「いいな」と思うと、そのたびに夢が変わっていた。中学生ぐらいで考え方が変わった。今は、現実的なことを考えて、旅行や英語が好きなので旅行代理店など、旅に関わる仕事を考えている。本当は、音楽関連の仕事がしたいけど、そういうところは大変だと思うので……。(高2女)
●小さいころの夢は総理大臣などだった。世間を知って、自分ができることを考えるようになり、今はコンサートの音響を担当するPAになりたい。(高2女)
親や身近な大人からの影響も大きい
「探検家とか、ブロックが好きだから大工とか。理科の実験が楽しいから科学者もいい」(小4男)、「声優になりたい。漫画に命を吹き込むようでかっこいい」(小6女)といったように、自分の興味や趣味がはっきりしている子は、それにつながる職種にあこがれているようです。その一方で、親のちょっとした言葉や価値観、働く姿から影響を受けていることも推察できます。グループインタビューで聞かれた声をご紹介します。
●お母さんが「大きい家を建てたいね」みたいなことを言っていたので、大工になりたい。(小4男)
●前はパン屋さんになりたかったけど、お母さんからパン屋さんは朝起きるのが早いと聞いて嫌になった。今はファストフートでアルバイトしてみたい。(小5男)
●両親が医者になってくれと言うので、外科医になりたい。自分たちがなれなかったから、わたしになってほしいようだ。でも、不器用なので、手先を器用にするために細かい作業や縫物をがんばってしている。(小5女)
●失業したくないので不況に関係ない公務員がいい。お母さんから、公務員なら産休もあるし、職場復帰もできるのでいい、と言われたことがある。(中3女)
●父は自分で会社を作った。自分も社長になって、社員をまとめて背負えるぐらいのでかい人になりたい。(高2男)
●宇宙飛行士など大きい夢ばかり持っていたけど、母が薬剤師をやっていたので、薬剤師もいいなと思った。それが最初の具体的な夢。(高2女)