「保活」いつから始める?進め方は?成功のコツから思わぬ壁まで【専門家監修&体験談】
- 育児・子育て
「保活(保育園に入園するための活動)」は「大変だって聞くし、うまくいくか心配……」と不安なかたも多いのではないでしょうか。数年前よりも入りやすくなってきている自治体も増えているものの、空き状況や雰囲気、通いやすさなど、あれこれ気になることも多いですよね。
そこで、先輩保護者の保活体験談についてアンケートを実施(※1)。保活で成功した点、思わぬ壁や反省点、実際の保活をとおして気付いたコツを紹介します。
また、子育て支援事業を行う株式会社ここるく代表で、保活アドバイザーの山下真実さんからアドバイスをいただきました。
※各自治体により、申し込み方法や状況が異なります。詳しくは各自治体のHP等で確認してください。
先輩保護者が「保活」でやってよかったこと
まずは、先輩保護者が振り返る保活の成功ポイントを紹介。ちょっとした一工夫が、成功につながるカギとなるようです。
1.見学だけでなく行事にも参加し雰囲気を把握
- 未就園児時代、リトミック、クリスマス、ハロウィーン、ピアノコンサート、夏祭り、育児相談、水遊び……解放日、工作教室、等々いろいろやってる保育園に遊びに行きながら園の雰囲気、先生たちの雰囲気等を直接遊びに行って比べていました。(小学3年生・愛知県)
2.複数の目で見学
- 妊娠中に、職場付近、自宅付近、中間地点、どこがいいか考えて、口コミなど見て絞ってから見学に行きました。母と見学に行きましたが、私が保育士のかたと話している間、母が園児たちの様子や保育士のかた、設備など、しっかり見てくれて助かりました!(年中/小学2年生・大阪府)
3.早めの行動&役割分担
- 0歳児クラスで入れなければ厳しいだろうと考えていたので、妊娠中から保育園見学に行きました。11月出産で、出産に重なった保育園見学は夫が行きました。申し込みの締め切りは11月末だったので、出生届やらいろいろな手続きと一緒に、夫に申し込みもしてきてもらいました。無事4月に入園できましたが、出産準備と保活と家建築の同時進行だったので大変でした。(小学2年生・神奈川県)
園の雰囲気は、1回の見学だけではつかみきれないことも。行事に参加したりすることで、普段の様子や、先生の姿を実感できそうですね。一人で保活するのではなく、家族とタッグを組んでチーム戦で臨めれば心強く効率もアップします。実際に通園するようになれば送り迎えを家族で分担するご家庭も多いので、保活の段階から分担しておくと後々スムーズです。
こんなはずじゃ……保活の思わぬ壁や反省点
セオリーどおりに保活を進めていても、予想外の事態に見舞われることも。先輩保護者の失敗体験や「もっとこうすればよかった」との反省点を聞きました。
0歳児以外は空きが出づらい!?
- 一人目の育休中に二人目を産み、3歳と1歳で保育園に入れました。正規雇用の共働きなので、普通に入れるだろうと思っていたのですが、1歳児はともかく、3歳児の枠が空いていないところが多いことが判明! 1歳児クラスから5歳児までずっと同じ定員の保育園が多く、誰かが辞めないと入ることは不可能な状態。かなり焦りましたが、結果公立の2名しか空いていない3歳児クラスの枠に無事に入ることができました。私立園は二つとも在園児でいっぱいで、入ることはムリでした。(小学1年生/3年生・東京都)
- 上の子も、下の子も1歳児の4月から保育園に入所しました。0歳児からではなかったので、覚悟はしていましたが認可は全滅。認定保育園に入り、ポイントをためて認可保育園に移りました。(小学2/中学1年生・神奈川県)
もっと早くから見学に行けばよかった
- 3か月過ぎたころから、早めにと思い見学に行き始めました。子どもが生まれてからでないと想像できないかな? と思ってましたが、結局親目線でよいか判断するだけなので、正直妊娠中に行っておけばよかったと思います。地域によりますが、4月からの利用で10月には申し込み予約しないといけなかったので、思ったより余裕はありません。(年少未満・大阪府)
求職中の保活で苦労
- 引っ越したあとに、保育園を探しに行ったら市役所で「働いていないなら入れないと思うよ。仕事があっても入れない人がいるし、その人たち優先だから」と言われました。職を探しに行くと「働いてる間お子さんはどうしますか? 保育園が決まってから申し込んでください」と言われました。(年少/小学1年生・東京都)
育休明けに復帰する世帯が集中する1歳児クラスや小規模園等からの転園希望者が増える3歳児クラスは空きが出づらかったり、求職中ではよりいっそう保活が厳しくなったり……。保活を進めてからこそ気付く壁に対応するためにも、早めの動き出しが肝心なのかもしれません。
先輩保護者に学ぶ! 保活成功のためのコツ
実際に保活を体験したからこそ実感した「保活成功のためのコツ」もご紹介。先輩たちからのアドバイスをご自身の保活に生かしてくださいね。
定期的に状況を確認し、最新の情報をゲット
- 情報収集と見学を6箇所程度しました。保育園に電話をした時は、定員の関係で募集がなかったのですが、いざ見学に行くと、ちょうど一人退所して、空きがあるとのことでした。今は入れなくても、気になったところは、見学したり、電話で状況の確認をしたりするとよい結果につながる可能性があると思います。(年少未満/年長・広島県)
- 激戦の1歳児クラスを避け、0歳児クラスから入園。しかも、市役所の書類上では1歳児クラスからしか開設していない保育園に見学に行き、0歳児クラスが新設されるという情報をGETし、無事入園。(小学1年生・神奈川県)
パンフレット等ではわからない情報は現地で入手
- 第一子の時は何を決め手に園を選べばよいのかわからず困りました。見学でも大体同じような内容しか聞けないし見られなかったので、実際は自分から気になるところをどんどん質問したり、既に通園・卒園している児童の保護者のかたからお話を聞いたりするのが一番の決め手になりました。(小学1年生・埼玉県)
幼稚園の延長保育という手も
- 正社員フルタイム復帰の時は第1希望にとおりました。数年たち二人目出産。退職して専業主婦に。その数年後、パートで短時間働こうと保育園入園を申請したところ、何度も何度も落とされました。働きたいのに優先順位は低くて預けられないから働けない状態です。数か月申請しても保育園に入れないので、幼稚園の延長保育を利用するようになりました。幼稚園の充実ぶり(保育だけではない、メリハリや運動や英語やスイミングや他の習い事など)にとても満足しました。周りの待機児童になっているママさんたちにもオススメしています。(小学3年生/6年生・埼玉県)
ホームページやパンフレットに記載されている内容が最新とは限りません。急な転勤などで空き状況に変化が起こることも。最新の情報を入手するためのアクションを取れるようにしておきたいですね。保育園について知りたいことリストをまとめておくと、見学時や通園生の保護者に質問をする時にも役立ちそうです。
最新の保活動向について
コロナ禍によって加速されたライフスタイルの変化や出生数の減少などにより、ここ数年は都心部を含む多くの自治体で保育園に入りやすくなってきています。共働き世帯であればどこかしらの園には入れるといった自治体も珍しくなくなってきましたが、「絶対にこの園に入りたい」という希望園が限定されている場合は、やはり計画的な保活をおすすめします。
また、2024年4月から「こども誰でも通園制度(仮称)」が全国150自治体程度で試行的に導入される見込みです。これは、保護者が就労していなくても、0歳6か月から3歳未満のお子さまは誰でも保育園に通える制度です。2026年には全国での本格実施が検討されています。
現在は一部自治体での試行的な実施で、利用時間も「こども一人あたり月10時間まで」と制限がありますが、気になるかたはお住いの自治体が対象かどうか確認してみましょう。
参考1:こども誰でも通園制度(仮称)の本格実施を見据えた試行的事業実施の在り方に関する検討会|こども家庭庁
https://www.cfa.go.jp/councils/daredemotsuuen
参考2:実施自治体一覧 令和6年1月17日時点
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/9d639b8e-761d-433a-8dc2-c40372577752/a8777757/20240130_councils_daredemotsuuen_02.pdf
まとめ & 実践 TIPS
先輩保護者の保活体験談はリアルな情報の宝庫。赤ちゃんのお世話をしながらの保活は、大変なことも多いですが、今回ご紹介した内容を参考に、希望する園への入園につなげてください。お子さまがお友達と楽しく過ごせるすてきな園とのご縁を願っております。
(出典)
※1
保活についてのアンケート
調査地域:全国
調査対象:未就学児・小学校低学年のお子さまをお持ちの保護者のかた
調査期間:2023年12月8日~12月29日
調査手法:WEBアンケートによるベネッセ調べ
有効回答数:17名
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