自転車の練習は何歳から?おすすめ練習法は?【体験談&専門家解説】

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お子さまの自転車の練習の始め時にお悩みのかたもいらっしゃるのではないでしょうか。ケガなく、スムーズに乗れるようになる練習法も気になりますよね。
そこで、先輩保護者にアンケートを実施。何歳から自転車の練習を始めたか、おすすめの練習法は何かについて358名のかたからご回答いただきました(※1)
また、一般財団法人日本交通安全教育普及協会の彦坂誠さん監修のもと、自転車を練習する際の注意点もご紹介します。

この記事のポイント

自転車の練習は何歳から?

自転車の練習を開始した年齢で、最も多いのは「5歳(27%)」。2位の「4歳(22%)」と合わせて、約半数のご家庭が4〜5歳で始めているという結果になりました。
3位は「3歳(16%)」、わずかな差で「6歳(15%)」が続きます。

一方で、7歳以降も9%いるなど、小学校入学以降に練習を始めるご家庭もあるようです。「〇歳までに自転車の練習を始めなくちゃ」と焦る必要はありませんので、お子さまが「練習したい」という意欲が高まるタイミングで始められるとよいでしょう。
また、年齢だけではなく自宅周辺に坂が多いなど、自転車を練習する環境ではないこともあると思いますので、焦らず・無理せず練習を進めていきたいですね。

先輩保護者に聞いた! おすすめの練習法

初めての自転車の練習は、いろいろと心配事が尽きないもの。「ケガしないか心配」「なかなかうまくいかなくて、気持ちがくじけちゃわないかな」「補助輪はあったほうがいいの?」など、気になることも多いでしょう。
自転車の練習法は、正解が一つというわけではありません。先輩保護者のおすすめ練習法から、お子さまに合った方法を見つけてあげられるといいですね。

「乗るもの」と「乗り方」の工夫3選

いきなり自転車のペダルをこぐ練習をするのでなく、次の3つの方法でバランスを取る練習に取り組んだという声が多く寄せられています。保護者のかたの子ども時代からなじみのある補助輪(コマ)はもちろん、ペダルなし自転車などさまざまな乗り物を使って練習しているようです。

子ども用のペダル無し自転車「キックバイク」で練習

  • 「キックバイクでバランスの練習ができていたからか、わりとすぐに乗れるようになりました」
  • 「キックバイクを楽しんでいたおかげでバランス感覚が養われ、体幹も鍛えられたと思います」
  • 「三輪車でペダルのこぎを、キックバイクでバランスを練習できたようで、すんなりと乗れるようになりました」
  • 「キックバイクで自転車に乗ることに慣れていたのと、あとはキックボードで地面を蹴ることをしていたのも、わりとスムーズに乗れた要因だと思います」
  • 「キックバイクで練習。乗れるようになったら付属のペダルを付けるという商品のおかげで練習専用の自転車を買わずに済みました」
  • 「キックバイクを使用。当時はまだ主流ではなかったが、きちんとしたブレーキが付いていて、ブレーキを握る練習もできます。ペダルとスタンドをあと付けでき、バランスが取れるようになったあともスムーズに自転車に移行できました。きょうだいとも同じ方法でスムーズでした」

補助輪付き自転車で練習

  • 「こま(補助輪)付きの自転車で乗ることに慣れてから、こまを外して練習しました」
  • 「おさがりの自転車に補助輪を購入して付けて練習しました」

普通の自転車で足で地面を蹴る練習からスタート

  • 「キックバイクは買わなかったので、普通の自転車で地面を蹴って足を浮かせ、バランスをとる練習に重点を置きました」
  • 「サドルに座って歩いてバランスを整えてから練習を始めました」
  • 「いきなりペダルをこがせないで、まずは足で蹴って進みながらバランスを体で覚えました。その状態で鬼ごっこができるくらいになったら、ペダルを付けてもスムーズに覚えられる気がします」

練習場所の工夫2選

安全に楽しく練習をするには、練習場所選びも大切です。先輩保護者からのおすすめの声が多かった練習場所を2つご紹介します。

交通公園で練習

  • 「交通公園で練習すると危険が少ないと思います」
  • 「交通公園へ出かけていろいろなタイプの自転車に乗ってみて、興味が高まったため、早く乗れるようになったかもしれません」

自転車教室で練習

  • 「自転車教室で半日で乗れるようになりました」
  • 「競輪場で行われていた自転車練習会に参加しました。ペダルを外して乗りやすい競輪場のコースを走ったあと、ペダルを付けて乗ったらスムーズに乗ることができました」

その他、「ゆるやかな坂道で練習する」という声も。バランスを取って前進する練習に効果的という声がありました。坂道と言っても公道での練習は厳禁ですので、公園や私有地などの坂で練習するようにしましょう。

その他モチベーションUPやタイミングの工夫は

お子さまのやる気を刺激することや、効率的に練習を進められるタイミングを選んだとの工夫も寄せられています。

友達やきょうだいと一緒に練習

  • 「お兄ちゃん(8)、お姉ちゃん(6)が練習する時に一番下の娘も一緒に練習しました。ほぼ同時期に3人が乗れるようになりました」
  • 「上手に乗れるお友達と遊んで、刺激をもらいました」
  • 「仲のよい子と一緒に練習すると、競争心が芽生えたのか習得が早かったです」

筋力が付いてから練習

  • 「小学校が小4から自転車に乗っていい決まりだったので、小3でいきなりペダルなしを練習したが、体幹が鍛えられていたため1時間も練習しないうちに乗れるようになりました」
  • 「上の子は筋力が足りず練習しても成果が出るまで時間がかかったので、体の大きさに合った自転車を選ぶことは大切だなと思いました。下の子はある程度筋力がついてから練習すると、あっという間に乗れるようになりました」

自転車の練習をする際の注意点は? 安全に練習するために

ここからは、一般財団法人日本交通安全教育普及協会の彦坂誠さんに自転車を練習する際の注意点を教えてもらいました。

練習場所の注意点

練習場所は交通公園や安全な広場など、平坦で交通事故の心配がない広めの場所を選びましょう。止まることができず、車道に飛び出してしまったら大変です。

練習中の注意点

可能であれば大人二人がスタートとゴールに立って、楽しく呼びかけながら練習するといいでしょう。子どもにとって目標地点も把握しやすく、いざという時に大人が安全を確保することができます。

練習のポイントは「バランスよくペダルを漕げるようになること」です。サドルが低すぎると膝が上がり過ぎてしまい、ペダルに力が入りにくくなり、ふらつきの原因になります。サドルは両足のつま先が付く程度ぐらいに上げることで、力が入りやすくなり推進力もつくので、自転車自体が倒れにくくなります。
また、ペダルを漕ぐリズムに合わせ掛け声をかけてあげると、上手に漕ぐことができるようになります。さらに肩の力を抜いて、なるべく顔を上げてゴールを見るようにすることで、ふらつきを軽減でき、まっすぐ走れるようになってきます。小さなことでいいので「できたこと」をほめながら、楽しく練習してください。

キックバイクで練習する際の注意点

キックバイクでバランスの練習をするとコツをつかみやすいですが、足で止まろうとする癖がつく子がいます。キックバイク以降の「自転車」は手でブレーキを操作しますので、自転車を切り替えた際に、ブレーキで止まる練習をすることが大切です。

ヘルメット等について

練習を始めた時は転ぶことが前提です。ヘルメットはしっかり着用させ、頭を保護しましょう(幼児期は頭部が大きく転びやすいです)。また、肘や膝プロテクターなどを使用するのもいいでしょう。

公道デビューの判断について

よく聞く『補助輪が取れたから公道デビュー』は間違いです。公道は歩行者や自動車などが通行するところで、練習する場所ではなく、ひとたび交通事故が発生したら、子どもだからといって許されるものではありません。
公道に出る以上は「走る・曲がる・止まる」ができなければいけません。もちろん、交通ルールや道路標識なども知る必要があります。

  • 走る(まっすぐ安定して走れるか)
  • 曲がる(歩行者や自動車とぶつからないように自転車をコントロールできるか)
  • 止まる(「走る」以上に大切で、止まれなければ絶対に公道に出てはいけません)

以上3つの技能面ができているか見極めましょう。
練習段階から「止まれた」ことをほめるようにし、思い通り止まれるように練習しましょう。

歩道で高齢者のかたとぶつかったなどがあれば大事故に発展しかねませんので、交通ルールを守る必要性から、最初のうちは必ず保護者のかたと一緒に出かけてください。自転車の交通ルールは思いのほか複雑で、大人でもしっかり理解できていないかたはとても多いです。この機会に保護者のかたも一緒に学ぶとよいでしょう。「自転車安全利用五則」を理解し、安全に自転車に乗りましょう。

<自転車安全利用五則>

1 車道が原則、左側通行 歩道は例外、歩行者を優先

2 交差点では信号と一時停止を守って、安全確認

3 夜間はライトを点灯

4 飲酒運転は禁止

5 ヘルメットを着用

自転車安全利用五則|警察庁 より

キックバイクでの走行について

キックバイクは自転車とは異なり「玩具」になりますので、公道では乗らないようにしましょう。

まとめ & 実践 TIPS

自転車に乗れるようになると、遊びの幅も、行動範囲も広がるものです。4〜5歳で練習を始めるご家庭が多いようですが、あくまで目安。お子さまの「乗れるようになりたい」という気持ちを大切に自転車練習をスタートできるといいですね。今回ご紹介した方法を参考に、お子さまと「どうやって練習しようか」と相談してみるのもおすすめです。

※1
保護者のかたに関するアンケート
調査地域:全国
調査対象:小学生・中学生・高校生のお子さまをお持ちの保護者のかた
調査期間:2023年11月15日~11月23日
調査手法:WEBアンケートによるベネッセ調べ
有効回答数:358名
※小数点以下を四捨五入しているため、合計が100%にならないことがあります。

プロフィール


彦坂誠

一般財団法人日本交通安全教育普及協会
内閣府の参加・体験・実践型交通安全教育事業の企画運営・講師をはじめとし、警察庁の交通安全教育事業や調査研究、自治体や学校などでの自転車安全利用講習会などを行うほか、テレビや雑誌で交通安全の正しい知識の普及活動を行っている。

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