気になる子どもの恋愛事情、NGな声かけは?
- 育児・子育て
中学生・高校生になると、彼氏・彼女ができるお子さまが少しずつ増えてきます。
大切な人ができるのはステキなことだけれど、まだ心身が成長しきっていない中高生時代。
「何も話してくれないし、どこまでのお付き合いなのかわからない」
「節度のある付き合いをしてほしいけれど、うるさく言うと反発されそう」
保護者のかたは、心配のタネが尽きないのではないでしょうか。
そこでこの記事では、中高生の恋愛事情とあわせて、コミュニケーションのプロから「子どもの恋愛」に関するアドバイスをいただきました。
「今は付き合っている人がいないみたい」というご家庭も、今後お子さまに恋人ができた時にあわてないために、参考になさってください。
4人に1人が「初めての恋人は中学」、「保護者には伝えない」が約6割
中高生の恋愛事情は、実際はどのようなものなのでしょうか?
「進研ゼミ」受講経験のある大学生150人に、高校時代までの恋愛に関する質問に答えてもらいました。
※2022年9月に実施した「中学・高校生のときの恋愛・学習法に関するアンケート」(150人回答)より
Q.初めて恋人ができたのはいつですか?
「中学時代」と回答した人が25%、「高校時代」が16%で、合計すると4割超。
やはり、中高時代に初めての恋愛を経験するお子さまは一定数いるようです。
(体験談)
高校で同じ部活の同級生が好きになり、LINEでやりとりして仲良くなりました。バレンタインに告白して付き合うように。
(神戸大 農学部 M・Oさん)
中学の生徒会で一緒に活動するうちに、共通の趣味の話をよくするようになり、相手から告白されました。
(金沢大 医薬保健学域 T・Mさん)
Q.中学・高校時代に付き合った相手はどんな人?
1位 同じ学校の同級生 61人
2位 別の学校の同級生 10人
3位 同じ学校の先輩や後輩 6人
初めて恋人ができた時期が「中学生のとき」、または「高校生のとき」と回答した人に、相手がどんな人だったかを聞いてみました。
「同じ学校の同級生」という人が圧倒的に多く、2位が「別の学校の同級生」。
身近な存在である同学年同士で付き合うケースが多いのは納得できますね。
それ以外では、「同じ学校の先輩」や「別の学校の同級生」などの回答が複数みられました。
Q.恋人ができたら、保護者に伝えますか?
「保護者に伝えない」という人が6割超も!
「その他」を選んだ人からは、「自分から言わなくてもすぐバレる」「自分の中で折り合いがついたら伝える」といった声が聞かれました。
恋愛に関する保護者の反応についてさらに聞いてみると、「しつこく聞かれるのがイヤ」という声が多数。
その一方で、「信頼してくれたのがうれしかった」というコメントもめだちました。
(体験談)
受験が終わってから恋人がいることを伝えたら、意外にもすごく喜んでくれてうれしかったです!
(名古屋大 法学部 M・Kさん)
クリスマスやバレンタインデーなどのイベントが来るたびに「彼氏できた?」と聞かれるのはつらかったです……。
(信州大 教育学部 Y・Kさん)
子どもの恋愛のお悩みに子育てのプロがアドバイス
ここで、編集部に寄せられた保護者のかたの声と、《子育てのプロ》として保護者のさまざまなお悩みに寄り添ってきた菅原裕子先生の答えを紹介します。
お子さまの恋愛でモヤモヤを抱えている保護者のかた、必読です!
【相談】
夏休み前に、高校1年生の娘に同級生の彼氏ができました。
高校生ですし、彼氏がいるのも不思議でもないのですが、土日に出かけて帰りが遅くなると気になって……。
うるさく言うのはよくないと思うけれど、いろいろ心配になってしまいます。
年頃の女の子の母として、どのように関わっていけばよいでしょうか?
【菅原先生の回答】
保護者としての思いや性の知識を率直に伝えましょう
本当に気になりますよね。
ただ、一番重要なのは「お嬢さん自身がどう考え、どんな答えを出すか」です。
そこでここでは、お嬢さんの答えを導くための方法を考えてみましょう。
このような状況で、保護者ができることは大きく分けて4つあります。
1.交際を認める
まず意識したいのは、お嬢さんの思いを尊重すること。
お嬢さんは「反対されているな」と感じると、隠れて彼氏と会うようになるでしょう。
オープンに付き合ってもらうためにも、交際に対して批判的な態度をとらないよう意識しましょう。
2.性について話し合う
お嬢さんは性についてそれなりの知識は持っているでしょうが、興味本位で不十分なものかもしれません。
妊娠や避妊の知識、避妊に失敗するとどうなるか、など現実的な性の話をしてあげてください。
また性感染症の危険も教えておいたほうがよいでしょう。
3.保護者としての思いを率直に伝える
「高校生ともなると性体験をするのは珍しいことでもない……」と変に納得して、言うべきことを言わずにいるのは賢明ではありません。
保護者として、人生の先輩として、「男性との付き合いを賢く楽しんでほしい」「自分を傷付けるようなことはしないでほしい」「あなたを心から大切に思っているよ」など、お母さまなりの言葉で率直に話をしましょう。
4.ルールを確認する
男性と付き合っているかどうかにかかわらず、高校生なら保護者と決めたルールがあるはず。
彼氏との付き合いに関しても、門限や外泊に関するルールを決めておき、家族のマナーとして守るよう伝えましょう。
そしてあとは、お嬢さんを信頼して任せることです。
中学生・高校生の交際は、いつの時代も注意が必要です。
精神的な影響も気がかりですが、性に関する心配もあります。
今後の二人の人生において、妊娠や性感染症など何らかの負担がかかるような結果は避けたいところ。
ただ、もしお嬢さんが自分の将来に対して夢を持ち、性的なことに関しても知識があれば、自分の身を守りながら、彼氏とのお付き合いも大切な経験として楽しめるはずです。
保護者はできるだけ落ち着いて、「子どもが正しい知識を持っているか」「どんな気持ちでいるか」を確認し、お嬢さんをサポートしてあげることが大切です。
ステキな交際になるとよいですね。
まとめ & 実践 TIPS
恋愛について、皆さまのご家庭の現状はいかがでしょうか。
お子さまの恋愛について気になってしまうこともあるかもしれませんが、保護者のかたの思いや家庭でのルールについてあらためて確認する機会にもなります。
今回の体験談や、菅原先生からのアドバイスを参考に、お子さまとよいコミュニケーションがとれるといいですね。
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