朝のバタバタは、子どもの段取り、親のフォローを変えるとうまくいく!

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朝のバタバタ、何とかしたいですよね。そこで、発達心理学、学校心理学が専門の渡辺弥生先生(法政大学文学部心理学科教授)に、おうちのかたが工夫できること、子どもたちにできることの両面から、バタバタ回避のヒケツをうかがいました。ちょっと段取りを変えるだけで、いつもの朝が変わりそうですよ!

この記事のポイント

バタバタの原因を考えると対策が見えてくる

朝は、5分でもゆとりがあると、心の余裕が全然違いますよね。でも、どうしたらバタバタせずに、一日をスタートできるのでしょうか。じつは、おうちのかたのほうが先に焦っていて、お子さんにそのムードが伝染してしまっていることもあるかもしれません。だからまずは、おうちのかたに解決できることがないか、考えてみるといいかもしれません。
たとえば、出かけるギリギリまで朝食をとっていたり、「早く食べなさい」とせかしたりする日が多いようなら、おうちのかたが10分だけでも早く起きて、朝食の支度を始めることにする。洗面所を使う順番がかち合って時間に追われがちなら、それぞれが洗面所を使うタイミングを家族で相談してみる。バタバタの原因を考えてみると、自ずとおうちのかたがフォローできることも見えてきて、意外と余裕を生み出せるものです。

時間割をそろえるのは、前日の眠くならないうちに

一方、お子さまの段取りはどうでしょうか。もしも、朝になって時間割を確認しているようであれば、前日のうちに支度しておく習慣をつけることが、バタバタ回避の特効薬といえるわけですが……。一日の終わりに、眠い目をこすりながら次の日の支度をするのって、大人でも面倒で嫌になってしまいますよね。そこで、支度のタイミングをひと工夫。前日の夕食前など、まだ眠くならない時間帯に、宿題と学校の支度を済ませるようにするというのはいかがでしょうか。しかも、「夕食までに宿題と明日の準備ができたら、食後にアイスを食べる」などと、最初はごほうびつきにするのも一つの手。すると、ごほうびを獲得した「やった!」と、朝の支度がスムーズにいった「やった!」というダブルの達成感が心地よくて、きっとやめられない習慣になっていくはずです。

遅刻しないことにこだわりすぎない

それでも、毎朝のようにハンカチやマスクなどを探していたり、「早くしなきゃ」と気ばかり焦っていたりする様子が見られる場合は、それらのことについても具体的な対策を。とはいえ、子どもはまだ自分で自分の状況を客観視することが難しいため、「いつもハンカチを探しちゃうね。持ち物リストを作ってみようか」「なんで焦っちゃうと思う?」「夕飯の前に、明日のハンカチとマスク一緒に選ぼうか」などと、気付いていない視点や方法を伝えながら、一緒に対策を考えるといいでしょう。
ただし、≪遅刻しない≫ということだけにこだわりすぎると、子どもは1分の遅れにも敏感になって、逆に焦る原因になってしまいます。いちばん大事なのは、ケガなどのトラブルもなく、無事に登校するということ。だから、いつもより支度に時間がかかってしまったとしても、「早く! 早く!」なんてあおるのではなく、おうちのかたこそがドーンと構えて、「焦らなくていいよ。安全第一! 安心第一! 気を付けてね」などと笑顔で送り出しましょう。

まとめ & 実践 TIPS

朝の時間がちょっとでもゆったりするだけで、その日はなんとも気持ちよく過ごせるものです。「遅刻するのではないか」と心配するあまり、ついたたき起こしたり、「早くしなさい!」なんて語気を強めたりしてしまいがちですが、出かける直前に急にトイレに行きたくなるなど、想定外のことはいくらでも起こり得ます。だから、目指すべきは、完ぺきな段取りで支度できるようになることよりも、いつでも落ち着いて行動できるようになるということ。予定どおりに支度が進まなかったときに、段取りを変えたり、深呼吸して気持ちを落ち着けたりしながら、安心して「行ってきます!」と言えるような余裕の大切さに気付けるように、サポートしてあげてくださいね。

プロフィール


渡辺弥生

法政大学文学部心理学科教授。教育学博士。発達心理学、発達臨床心理学、学校心理学が専門で、子どもの社会性や感情の発達などについて研究し、対人関係のトラブルなどを予防する実践を学校で実施。著書に『子どもの「10歳の壁」とは何か?—乗り越えるための発達心理学』(光文社)、『感情の正体—発達心理学で気持ちをマネジメントする』(筑摩書房)、『まんがでわかる発達心理学』(講談社)、『子どもに大切なことが伝わる親の言い方』(フォレスト出版)など多数。

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