食育は難しくない!子どもと一緒に無理なくできる食育とは?

  • 育児・子育て

学校や保育園・幼稚園で行われている食育。実は、家庭でも簡単に取り入れられるものだって知っていましたか? むしろ、食事をする回数は家庭の方が圧倒的に多いのですから、食育を行うチャンスもたくさんあるはずです。今回は、家庭でできる簡単な食育をご紹介します。食育を通して、生きる力を育んでいきましょう。

この記事のポイント

食育とは、生きるために必要な「食」を学ぶこと

まずは「食育」について理解していきましょう。なぜ食育をしなければならないのかも、ご紹介します。

食べることは生きること!食育の重要性

食育とはいったい何なのでしょうか? 農林水産省のHPでは、以下のように解説されています。

食育は、生きる上での基本であって、知育・徳育・体育の基礎となるものであり 、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実現することができる人間を育てることです。
※農林水産省HPより引用

人間は、食べなければ生きられません。勉強も遊びも、食べているからこそできるのです。食べることの大切さを知り、健康に生きていくための知識や経験を身に付けることが、食育になります。

今、子どもたちの健康が危ない!?

当たり前ともいえる「食」のことをわざわざ学ばなければならないのは、子どもたちの健康問題が深刻化していることが理由です。孤食(1人で食事を食べること)や欠食(食事を抜くこと)、偏食などによる食生活の乱れ、肥満、痩身傾向……。そのすべてに食事が関わっています。

その原因として考えられるものは、家庭環境や食文化の変化などさまざま。だからこそ、食事の大切さを見直し、正しい知識を身に付けることが必要になっているのです。

学校で行われている食育

「食育基本法」や「食育推進基本計画」が制定され、学校でもさまざまな取組みを行っています。

給食では、栄養バランスの良い献立を考えています。日本や世界の伝統食を取り入れて食文化への理解を深められるようにしたり、地域のかたが作る農産物などを活用して感謝の心を育てたりもしています。みんなで食べることで、社会性やマナーも身につけられるでしょう。

授業ではどうでしょうか? 家庭科では、栄養バランスだけでなく実際の調理方法を指導、保健体育では、体の仕組みを通して食事の大切さを教えています。特別活動やその他の授業でも、それぞれの教科の特性を活かした指導を行っています。農林漁業体験ができるのも、学校ならではの食育ですね。

他にも、食物アレルギーや偏食がある子ども、肥満や痩身傾向の子どもの健康状態を把握し、個別の指導などを行っています。

食育を学ぶメリット

農林水産省の行った調査から、食育にはどんなメリットがあるのかを見ていきましょう。子どもの食育を通して、家族みんなで生きる力を身に付けたいですね。

学力や体力がアップする

昔から、「朝ごはんを食べると頭が良くなる」といわれますよね。実際に、朝食を食べている子どもの方が学力・体力ともに高いという調査結果もあるほど。食育を学べば、3食きちんと食べることの大切さもわかるため、自然と朝食を食べるようになります。その結果、学力や体力も上がる可能性があるのです。

「忙しい」「食欲がない」などの理由で朝食を抜くかたもいるでしょう。もちろん、毎日栄養バランスばっちりの朝食を摂るのは難しいかもしれません。そのような場合は、おにぎり1個、味噌汁1杯でも良いです。まずは何か口にすることから、少しずつ始めてみてください。

病気のリスク低下や長寿につながる

糖尿病や心疾患、胃がん・大腸がんなどの発症リスクが低い人は、野菜や果物、豆類や海藻類、乳類をよく食べ、肉類を控えめにしている傾向があるそう。また、バランスの良い食事は長寿と関係があるという研究結果も複数あります。

食育は、どの食材にどんな栄養が含まれているかも学べます。細かい栄養素までは覚えられなくても、興味や関心を持つだけで食生活は変わっていくはず。ちょっとした心がけが、健康的な生活の第一歩です。

心も健康になれる

誰かと一緒に食事をする「共食」を、食育では推奨しています。実は、共食をしている人は心の健康状態が良いという研究結果があるそう。これは、子どもだけでなく大人にも当てはまります。家族全員で食べるのは難しくても、せめて1人で食べることはないように心がけていきたいですね。

また、農林漁業体験をすると感謝の気持ちが生まれ、食べ残しや好き嫌いが減るというメリットもあります。

食事マナーが自然と身につく

食育では、正しい配膳の方法や、食器を持って食べることの大切さを教えてくれます。毎日続けていけば、自然と食事マナーが身についていくでしょう。

ただ、こだわり過ぎる必要はありません。マナーを気にするあまり、食事が苦痛になってしまったら意味がないからです。まずは、楽しくおいしく食べられることに重点を置き、食事マナーは共食を通してお手本を見せていきましょう。「マナーを身に付けさせる」というよりは、「自然と身につくように食事環境を整えていく」ことが大切なのかもしれません。

家庭でも食育を取り入れよう

メリットが多い食育ですから、家庭でも取り入れていきましょう。難しいことはしなくてOK。普段の食事や生活のなかでできそうなものを選んで、少しずつ行ってみましょう。

食事の準備を通してできること

・子どもと食材の買い出しに行く
・旬の食材を使う
・子どもと一緒に料理をする
・食器の準備や片付けを手伝ってもらう

お手伝いを通して、食材への関心が高まったり、作る人に感謝の気持ちを持ったりすることができます。簡単なお手伝いでOK。買い物カゴに野菜を入れてもらう、サラダを盛り付けてもらう、箸を並べてもらうなど、子どもが「やりたい」と思うことからお願いしてみてください。

食事中にできること

・誰かと一緒に楽しく食事をする
・正しい配膳をする
・メニューや食材について話をする
・3食決まった時間に食べる

一番意識してほしいのは、誰かと一緒に楽しく食べるということ。これだけでも、立派な食育です。好き嫌いを克服させたり、マナーにこだわり過ぎたりしなくてOK。「食事って楽しいな」と思えることが、何よりも大切です。そのほかのことも、無理のない範囲で意識してみてください。

生活のなかでできること

・家庭菜園をやってみる
・食べ物の本を読む
・体のことについて考えてみる
・食育に関する講座を受けたり資格を取得したりする

家庭菜園は、家庭でできる農林漁業体験の1つです。野菜や果物が、より身近なものになります。小さいお子さまなら、絵本を通して食べ物に触れるのも良いですね。食べ物だけでなく、体の仕組みに興味を持つことも食育になります。

まとめ & 実践 TIPS

食育というと、食事マナーや栄養バランスばかり考えがち。しかし、それよりも大切なのは「食事を楽しむ」ということです。生きるうえで欠かせない食事が楽しいものになれば、きっと幸せなはず。誰かと一緒に楽しく食事をすることで、家庭での食育の第一歩を踏み出してみてください。

出典
農林水産省 食育の推進
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/index.html

農林水産省 食育」ってどんないいことがあるの?~エビデンス(根拠)に基づいて分かったこと~統合版
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/evidence/attach/pdf/index-30.pdf

農林水産省 第4次食育推進基本計画
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/attach/pdf/kannrennhou-24.pdf

文部科学省 食育って何?
https://www.mext.go.jp/syokuiku/what/index.html

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