入学準備これだけは! ひらがな・かたかな・文章は書けないとダメ?
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次の春にはいよいよ小学生。ランドセルや机を用意したり、健康診断や説明会に出向いたりして、少しずつ実感が湧いてくる頃でしょうか。と同時に、入学してからのあれこれに思いをはせて、ふと不安になってしまう瞬間もあると思います。たとえば「文字の読み書き」。
そんな悩みをお持ちのかたへ、私の子の幼稚園時代のエピソードを一つ、紹介させていただければと思います。
(赤ペン先生 河原)
「覚えたい」ときに覚えるのがいちばん
子どもが幼稚園に通っているとき、一大お手紙ブームが起こりました。始まりは、字がちょっと書けるようになった姉御肌のお嬢さんたち。読めなかろうが、書けなかろうが、相手を選ばず渡してくれるので、読み書きできなかったわが子も、お返事を書きたい一心で手紙に必要な文字から覚えていきました。「Aちゃん、だいすき」「またあそぼ」「あいしてる」。ときに見事な鏡文字も混ざりつつ、子どもたちのやり取りは長い間続きました。
読み書きにまったく興味のないお子さまもいます
そんな中、まったくブームを意に介さないSくんという男の子がいました。女の子たちはもちろんSくんにも手紙を書きます。「あいしてるだって。やっだぁ~」お母さんは、まるで自分がラブレターをもらったかのように照れて嬉しがっていましたが、Sくんは淡々としています。どれだけ手紙をもらっても、字の読み書きにまったく興味を示しません。お母さんが「お返事書いてみる?」と促しても、「書かないっ!」ときっぱり断られてしまうのだそうです。
「かろうじて」自分の名前が読めて書ければ十分
Sくんはとにかく元気で、サッカーとおにごっこが大好き。読み書きすることに興味はないけれど、毎晩寝る前に10冊くらい読み聞かせをしてもらうほどの本好きでありました。
「うちの子、ぜんぜん読めないし、書けないけど、こんなんでいいのかな」お母さんはしきりに心配してはいたものの、決して無理強いをしませんでした。入学前に、かろうじて自分の名前が読める、書くほうはかなり怪しい、という程度になったと聞きました。
まとめ & 実践 TIPS
6年後、Sくんはサッカーで有名な名門私立高校の中等部を受験し、見事合格しました。大好きなサッカーをずっと続けていきたくて、受験勉強をがんばったそうです。
Sくんのように、「文字の読み書き」に興味を示さないお子さまの頭の中はきっと、もっと魅力的な何かでいっぱいなのでしょう。入学前の貴重な時間は、お子さまの興味を優先し、好きな何かをめいっぱい追求することに使わせてあげたいと思います。
小学校入学後、新しく教わることに新鮮さを感じれば、お子さまの「吸収する力」は一気に開花するはずです。それまで待っても、決して遅くはありません。
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