「良かれと思って」が子どものやる気を奪う?! そのご褒美、本当に必要ですか?

  • 育児・子育て

子どもにご褒美をあげること、ありますよね。でも、そのご褒美の中に子どものやる気を奪っているNGなものがあるって知っていましたか? 間違った使い方をすると、子どものやる気だけでなく、可能性も奪ってしまうかもしれません。

この記事のポイント

子どもにご褒美をあげる理由は2つ

子どもにご褒美をあげるのはどんな時でしょうか? 考えられる理由は2つ。「やる気を出してほしい時」と「がんばったからほめてあげたい時」でしょう。

ご褒美を多用してはいけないことはわかっていますよね。その時は効果があっても、いずれやらなくなってしまうからです。ただ、「やる気を出してほしい時」のきっかけとして使うことはできます。トイレトレーニングなどが良い例ですね。

しかし、「がんばったからほめてあげたい時」のご褒美は注意が必要です。こちらの方が子どもに影響がなさそうですが、実は逆。子どもの可能性を奪ってしまうかもしれない、危険なご褒美なのです。

やる気があることにご褒美を使うと逆効果?!

周りが何も言わなくても、やる気になっているものってありますよね。そういう姿を見ると「がんばってるからご褒美をあげる」と言いたくなるでしょう。でも、それはNG。どうしてなのか、具体例を見てみましょう。

Aくんはサッカークラブに入っています。自分でやりたいと言った習い事で、とても楽しそうです。これを見てお父さんは、「がんばっているからお菓子を買ってあげよう」とご褒美を与えました。しかも「今日の練習終わったらご褒美をあげるよ」と予告して。するとAくんは次の練習の時に「ご褒美は?」と要求。そしてご褒美がないことがわかると、嫌々練習に向かっていきました。

Aくんは、ご褒美がない時は「サッカーが楽しいから」という理由で練習をがんばっていました。でも、ご褒美が加わった途端「ご褒美をもらいたい」という理由で練習をするようになるかもしれません。サッカーをやることが目的だったのに、ご褒美をもらうことが目的に変わってしまったということ。ご褒美がなければ、これからも楽しくサッカーを続けられたかもしれないのに……。「良かれと思って」の行動が、子どものやる気を奪ってしまったのです。

自ら進んでやろうとすることを「内発的動機付け」といいます。これは、自分で興味や目的を持ってやろうとすることで、長期的に持続できるものです。対してご褒美は「外発的動機付け」といって、やらされるもの。見返りがないと動けず、短期的な効果しか発揮しません。せっかく内発的動機付けで動いていたものを、大人の行動で外発的動機付けに変化させてしまう……これではもったいないですよね。やる気があることに「物」のご褒美は不要。ほめるというご褒美で十分なのです。

ご褒美は特別な時のプレゼントとして

がんばっていることにご褒美をあげたいと思うのは、当然の感情。そんな時は、ご褒美を特別な時のプレゼントにしましょう。

年に1回の大会の後、期末テストの後、発表会の後……。そういった特別な時に、ご褒美をあげるようにしてみてください。ポイントは、予告をするのではなくサプライズであげること。こうすればご褒美を目的にがんばることはないので、やる気の低下を防ぐことができます。

普段のご褒美は、ほめたり認めたりするだけでOK。その方が子どものやる気が育ちます。「ご褒美はNGだから」と何もしなくてよいわけではありません。「がんばってるね」とほめたり、お子さまのがんばりをしっかり見たりするご褒美を、惜しまずたくさんあげてください。

まとめ & 実践 TIPS

がんばっていることほどご褒美をあげたくなりますが、実は必要ないもの。見守りほめる、これだけでOKです。もちろん、やる気のないことでも同じ。「物」ではなく「ほめ」のご褒美で、お子さまのやる気を引き出してあげましょう。

プロフィール



「ベネッセ教育情報サイト」は、子育て・教育・受験情報の最新ニュースをお届けするベネッセの総合情報サイトです。
役立つノウハウから業界の最新動向、読み物コラムまで豊富なコンテンツを配信しております。

お子さまに関するお悩みを持つ
保護者のかたへ

  • がんばっているのに成績が伸びない
  • 反抗期の子どもの接し方に悩んでいる
  • 自発的に勉強をやってくれない

このようなお悩みを持つ保護者のかたは多いのではないでしょうか?

\そんな保護者のかたにおすすめなのが/
まなびの手帳ロゴ ベネッセ教育情報サイト公式アプリ 教育情報まなびの手帳

お子さまの年齢、地域、時期別に最適な教育情報を配信しています!

そのほかにも、学習タイプ診断や無料動画など、アプリ限定のサービスが満載です。

ぜひ一度チェックしてみてください。

  • 育児・子育て

子育て・教育Q&A