どっちの褒め方がベター? 子どもの褒め方チェックリスト
子どものやる気は、保護者のかたの褒め方によって大きく左右されるもの。一般に叱るよりも褒めることを優先するほうが子どもは伸びやすいと言われますが、ただ褒めればよいというわけでもありません。どんな褒め方をすると、子どものやる気を引き出しやすいのでしょうか。
どっちの褒め方が子どものやる気を引き出しやすい?
褒め方は、一つではありません。場面によって使い分けることで、子どもの気持ちを効果的に高められます。次のような褒め方では、どちらが子どもの心に届きやすいかを考えてみましょう。
【「結果」を褒める】or【「過程」を褒める】
「結果」を褒めるのは、できたことを褒めることです。一方、「過程」を褒めるのは、結果にかかわらず、挑戦したことやがんばりを褒めることです。
子どもがかけっこで1番になったとしましょう。「1番になってすごいね。○○は足が速いね」と結果を褒めると、子どもは誇らしい気持ちになり、自信を高めるはずです。それも悪いことではありませんが、結果を褒めすぎると、次に1番になれなかったとき、「もう褒めてもらえない」「2番では意味がない」と落ち込んだり、自信を失ったりするかもしれません。また、「自分は足が速い」と過信し、もっと速くなるためにがんばろうという気持ちが起こらないかもしれません。
一方、「いつも公園で走っているから速くなったんだね」「嫌いな野菜もちゃんと食べたから足が強くなったんだね」などと、裏にあるがんばりを褒めると、「もっとがんばろう」という気持ちをもちやすいでしょう。結果を褒めるのはほどほどにして、過程にもしっかりと目を向けることで次につながりやすくなります。
【「絶対的」に褒める】or【「相対的」に褒める】
「絶対的」に褒めるとは、だれとも比較せずにわが子のよさを認めて褒めることです。一方、「相対的」に褒めるとは、だれかを引き合いに出して褒めることです。
「○○くんより上手だったね」などと相対的に褒めると、競争心を刺激されるかもしれませんが、「自分は相手より上だ」という気持ちになって、それ以上の努力をしなくなるかもしれません。それに、友だちとの関係に勝ち負けの視点を持ち込み、人間関係がゆがんでしまうことも考えられます。特に、きょうだい間での比較は、成長後も悪影響を引きずることも多いと言われています。褒めるときはだれかと比較するのではなく、その子自身のよさをしっかりと認めるようにしましょう。
【「いつも」褒める】or【「ときどき」褒める】
「子どもは褒めて育てるべき」と考えて褒めまくって育てる保護者のかたもいれば、本当にがんばったときだけ褒める保護者のかたもいます。どちらも間違いではないのでしょうが、発達段階を考慮すると、より効果的な褒め方はどちらでしょうか。
2歳や3歳のころは小さなことでも褒めて、「自分は何でもできる」「親から愛されている」といった気持ちにさせて、自尊心を高めることも大切でしょう。しかし、ある程度の年齢になっているのにむやみやたらに褒めると、「自分は特別だ」といったゆがんだ万能感につながることも考えられます。また、褒められることに慣れてしまうこともあるでしょう。ですから、成長に伴ってタイミングを見計らって褒める方法へと徐々に切り替えていくことも大切です。
【「全体的」に褒める】or【「具体的」に褒める】
子どもが絵を描いたとき、「上手だね」と全体的に褒めるのと、「青空の青がとてもキレイに描けているね」と具体的に褒めるのとでは、後者のほうが子どもはうれしくなり、「次はもっと工夫してみよう」という気持ちになるでしょう。また、「えらいね」「いい子ね」などと褒められても、子どもには何を褒められているのかが具体的に伝わらないこともあります。褒めるときは、できるだけ具体的な言葉にするほうが伝わりやすく、また子どもが自分のよさに気づくきっかけにもなります。