【専門家】スプーンの正しい持ち方は?子どもの発達段階に合わせた持ち方3STEP
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- 育児・子育て
1歳くらいになると、スプーンに興味を持つ子どもも出てきます。さて、お子さまにはどうやってスプーンを持たせていますか? もし、大人と同じように下から持たせようとしているなら、ちょっと待ってください。管理栄養士として、長年にわたり乳幼児への栄養指導をされている太田百合子先生監修のもと、正しいスプーンの練習法をご紹介します。
初めから大人と同じには持てない!
スプーンの正しい持ち方は、指先を使って箸のように持つ方法。それに近付けようと、初めからスプーンを下から握る「下手持ち(したてもち)」をさせようとする保護者のかたも多いです。でもこの持ち方、小さな子どもには難しいって知っていましたか?
下手持ちをするには、手首をひねらなければなりません。大人にとっては普通にできる動きですが、子どもはそうではありません。しかも、この状態を維持してスプーンを口元まで持ってくるのは至難の業。こぼしたり、食べ物がすくえなかったり、「そうじゃないでしょ」と注意されたり……。その結果、スプーンで食べることが嫌になってしまったら悲しいですよね。
スプーンの順番は「手のひら握り→指握り→バキューン持ち」
楽しく無理なくスプーンを持てるようにするには、発達に合わせて持ち方を変化させてあげることが大切。焦らずにゆっくり進めていきましょう。
・初めてのスプーンは「手のひら握り」
手のひら握りは、上からスプーンをわしづかみにする持ち方です。小さな子どもにスプーンを持たせると、自然とこの形になることが多いでしょう。初めはこのまま、スプーンを持つことに慣れていきます。無理に下手持ちにする必要はありません。自分から自然と下手持ちをするようであればそれでOKです。
こぼすことも多いですが、しかるようなことはしないでください。「スプーン持てたね」とたくさんほめて、自信を付けていきましょう。食材をスプーンに乗せてあげたり、手を添えてあげたりして、少しずつ一人で食べられるようになっていくとよいですね。
・スプーンに慣れてきたら「指握り」
手のひら握りで食べることに慣れたら、指で持つように促していきましょう。でも、無理強いはしないように。食事の初めだけなど、機嫌のよい時に持ち方を教えてあげてください。ほんのちょっとの時間でもOK。励ましたりほめたりしながら、少しずつ進めていきましょう。
指握りをとおして手首を動かすことができるようになります。ですから、遊びや生活の中でこういった動きを経験させてあげることも大事です。たとえば手遊び。星を表現する時に、手首をひねってキラキラさせますよね。これが指握りをするためにとってもよい経験になります。他にも、「すくう」という動きができる砂場遊びや水遊びもおすすめです。
・こぼさず食べられるようになったら「バキューン持ち」
指握りが上手になったら、親指、人さし指、中指の3本を使って食べられるようにしていきましょう。鉛筆持ち、箸持ちともいいますが、子どもが喜ぶのはバキューン持ちという呼び方。親指と人さし指を立ててピストルの形をつくります。その形のまま、スプーンを乗せてあげて指でつまむように持ちましょう。親指、人さし指、中指の3点で支えられればOKです。
無理強いせずに、ゆっくりと進めるのがコツ。うまくいかなくてもしからずに、「バキューンの持ち方にできる?」と声をかけてみましょう。できていたらたくさんほめて、自信を付けるようにしてください。あまり神経質にならずに、気付いた時に声をかけるくらいで大丈夫です。
遊びや生活の中で手首や指先をいっぱい使おう
スプーンや箸を上手に持てるようにするには、体の発達が追い付いていないと難しいです。だから、食事だけでなくいろいろな場面で体を使っていきましょう。
ひも通しやパズル、積み木などの遊びを行ったり、服を着たり靴を履いたり……。生活や遊びの中には指先や手を使う動きがたくさんあります。楽しみながらできる方法で、力を付けていきたいですね。
また、食事をするには姿勢を保持したり腕を支えたりする全身の力も必要。食事だけに目を向けず、いっぱい体を動かして、いっぱい遊んで、いろいろな経験をしていきましょう。関係ないようで、それが一番の近道となるでしょう。
まとめ & 実践 TIPS
スプーンの持ち方を練習するには、発達に合わせながらがおすすめ。「楽しい」「上手に持てた!」という気持ちがやる気を育て、さらには食事への意欲にもつながっていきます。お子さまの様子を見ながら、焦らずゆっくりと進めていきましょう。
編集協力/岡聡子、Cue`s inc.
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