いつになったら普通の生活に戻れる? 新型コロナウイルスの終焉とは? ベネッセ教育総合研究所が子どもの生活・学びの困りごとに応えるシリーズ(3)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の収束には、まだ時間がかかりそうです。収束したと言える状況はどのようなものなのでしょうか。ベネッセ教育総合研究所が運営するインターネット上の「子ども学」の研究所『チャイルド・リサーチ・ネット(CRN)』では、支援してくださっている専門家の方々に、健康・学び・遊びをテーマに、正しい知識や対処法をうかがっていきます。

6回にわたり、医学博士であり、CRN所長とベネッセ教育総合研究所常任顧問でもある榊原先生による健康面に関するお話をお届けしていきます。

●“日常”が戻るときとは?

緊急事態宣言が解除されましたが、いつになったら、普通の生活に戻れるのかと心配されていらっしゃるのではないでしょうか。その答えは、「新型コロナウイルス感染症はいつ終焉するのか?」ということになると思います。ただし、様々な専門家がそれぞれに予想を出していますが、あくまでも「こういう状況になったら終わるだろう」というものですので、絶対に正しいというものはありません。私からもその観点で、今回は新型コロナウイルス感染症の終焉についてお話ししたいと思います。

●終焉のカギはワクチン開発

終焉には、2パターンあります。まずは、新たな感染者が出なくなった状態。ベトナム、中国がほぼそれに近い状態といえます。そうなると、その国のなかでは感染拡大がストップします。といっても、ウイルスを封じ込めて緊急事態宣言は解除されてはいるものの、全国民が免疫を獲得したというわけではありませんから、第二波・第三波がやってくるのではないかと言われています。つまり、一時的な終焉であり、日本では早くても今秋もしくはそれより前にその波がやってくるのではないかと言われています。

では、どういう状態が完全な終焉なのかといいますと、日本でははしかを例にするとわかりやすいかもしれません。ニュースなどで抗体検査という言葉を耳にしたことがあると思いますが、人工ワクチン(予防接種)によってほとんどのかたがはしかの抗体を持っていて、数人の感染者が出たところで、広がることはないわけです。つまり、新型コロナウイルスも完全な終焉を迎えるためには、この抗体を持つ人の割合がカギ。国民の6割くらいが新型コロナウイルスにかかるか(無症状のかたも含む)、ワクチンを接種するなどして、抗体を持つ必要があるのです。

ただし、ワクチンが開発される時期については、まだ何とも言えない段階です。2020年の終わりだとも、1年先とも言われていますが、有効なワクチンができたときに、完全終焉に向けたシナリオが描けるようになると思います。

上記記事はベネッセ教育総合研究所が運営するチャイルド・リサーチ・ネット(CRN)に掲載した動画をもとに作成したものです。
チャイルド・リサーチ・ネット(CRN)は「子どもは未来である」という理念を掲げ学際的、国際的な活動を推進する、インターネット上の「子ども学」研究所です。ベネッセ教育総合研究所の支援のもと運営されています。

チャイルド・リサーチ・ネット(CRN)では、新型コロナウイルスに関する様々な情報も公開中
新型コロナウイルス感染症関連情報
チャイルド・リサーチ・ネット(CRN)は「子どもは未来である」という理念を掲げ学際的、国際的な活動を推進する、インターネット上の「子ども学」研究所です。
ベネッセ教育総合研究所の支援のもと運営されています。

プロフィール

榊原洋一

榊原洋一

医学博士。CRN所長。お茶の水女子大学名誉教授。ベネッセ教育総合研究所常任顧問。日本子ども学会理事長。専門は小児神経学、発達神経学特に注意欠陥多動性障害、アスペルガー症候群などの発達障害の臨床と脳科学。趣味は登山、音楽鑑賞、二男一女の父。

主な著書:「オムツをしたサル」(講談社)、「集中できない子どもたち」(小学館)、「多動性障害児」(講談社+α新書)、「アスペルガー症候群と学習障害」(講談社+α新書)、「ADHDの医学」(学研)、「はじめて出会う 育児の百科」(小学館)、「Dr.サカキハラのADHDの医学」(学研)、「子どもの脳の発達 臨界期・敏感期」(講談社+α新書)など。

おすすめトピックス

子育て・教育Q&A