子どもが勉強をさっさと終わらせるようになった我が家の習慣[やる気を引き出すコーチング]
休校、外出自粛が続き、親子共々、家にいることが多くなった今春、思いもかけない収穫があったという報告を寄せてくださった方がいます。Aさんは、小学校5年生、2年生のお子さんを持つお母さん。日頃はフルタイムで仕事をされています。お子さんの休校と同時期に、ご自身も在宅勤務を余儀なくされました。
「最初は、親子で久しぶりにのんびりできていいかなと思ったんですけど、ずっと家にいると、私も子どももけじめがつかなくてダメですね。1日中ダラダラと過ごしてしまって、仕事も思うように進まないんです。このままじゃダメだなと思って、あることを私がやり出したら、子どもたちもまねするようになって・・・」いったいどんなことなのでしょうか?
生活習慣を変えた3つのルール
「最初は試行錯誤っていうか、思いつくままにやっていたんですけど、だんだんとルールができあがってきたんです。ルールは3つです。
(1) 朝ごはんが終わったら今日やることを各々に5つリストアップする。
(2) 5つ全部終わったらその日は何をしてもいい。
(3) 晩ごはんの時に1日をふりかえる。
私自身が、慣れない家での仕事をなんとかしよう思って、『今日やること』を仕事と家事に分けてメモしたものを冷蔵庫に貼ってみたんです。それがないと、本当に1日があっという間に終わっていくので。1つ終わったら、リストにチェックを入れて、『完了!』と叫んで、次に取り組みます。子どもたちもおもしろがって一緒に書き始めました。そのうち、朝ごはんが終わってから、一緒に書くようになって、『今日はこの5つをします!』と宣言し合って、1日をスタートするようになりました。子どもたちのリストも並べて貼りました。
朝、決めたことを全部終えたら、後は何をしてもいいというのは、なかなかいいルールだと思います。早く終わったらゲームがいくらでもできる!と思うと、子どもたちも学校の課題を早く終わらせようとします。子どもたちは、だいたいた午前中で終わらせてしまって、午後は遊んでいました。こんなにさっさとできるんだ!と感動しました。
夜、ふりかえるのもすごくいいですね。今日はこれができたとか、これに時間がかかったとか、あれこれ言い合うことで、お互いに計画を立てることを意識するようになりました」
強制と評価はしない
「意識したことはコーチングですよ!私が『今日やることを5つ書きなさい』とか『勉強してからゲームしなさい』と言っても、きっと子どもたちはやらなかったと思います。強制はせず、『今日はどうする?』みたいな感じで問いかけて、自分で考えてもらいました。最初は、『もう少しがんばってほしいな』と思うようなリストでしたが、そこもあまり『もっとこうしなさい』とも言わず、本人たちに任せました。夜のふりかえりの時も、『今日の過ごし方は100点満点中何点だった?』と質問して、自分で自分の1日を評価するようにしてもらいました。私が『今日はがんばったね』とか『今日はもう少しだったね』とか言わないようにしました。
実際、私自身も自宅で仕事してみて、自己管理ってすごく難しいなって思ったんです。だから、子どもたちに勉強させるためというより、自分のけじめのためにやっていたので、子どもたちは、それに付き合ってくれていたような感じなんです。でも、一緒にやっていると、なんか楽しいというか、各々自分のことをやっているんだけど、達成感が共有できる感じでいいなと思いました。やっぱり、自分で考えて自分で決めてやり遂げた!っていう体験は大事ですね!」
不安なニュースが多い昨今、Aさんのこのお話に心が和みました。「やらせる」のではなく、「共に取り組む」という姿勢が、お子さんたちの自発性を引き出したのでしょう。他者からの評価ではなく自分でふりかえることも自発性を引き出す上で大いに効果的だと思います。