失敗を恐れずチャレンジする子どもを育むには[やる気を引き出すコーチング]

新しい年を迎え、今年の目標やチャレンジしたいことなどを話題にされたご家庭もあったことでしょう。もっといろんな体験をしてほしいのに、「どうせうまくいかないからやらない」、「失敗したら叱られる」、そんな気持ちが湧いてくるのか、最初から行動を起こさないお子さんのお話もよくうかがいます。確かに、チャレンジすることには勇気が要ります。

今回は、「子どもが失敗を恐れず行動を起こすようになった」というAさんのお話をお伝えしたいと思います。

「結果」については一切評価をしない

Aさんのお子さんは、小学校5年生。昔から、慎重で、引っ込み思案だったそうです。そこで、少しでも積極的になれればと思い、地元のサッカーチームに入部させることにしました。最初は、不安げでしたが、しだいに、楽しんで参加するようになりました。Aさんは、このチームのコーチを見ていて、あることに気づいたそうです。

「コーチは、結果については、何も言わないんです。もちろん、試合に勝てば、子どもたちと一緒に喜び、負ければ、一緒に残念がってくれるのですが、結果が『良かった』とか『悪かった』とかは言わないんです。

シュートを外しても、『あの場面でよく前向きにチャレンジしたね』と声をかけます。パスが乱れても、『攻めようとしていたことが伝わってきたよ』とやろうとしたことを承認するんです。一生懸命やっても、必ずしも、結果につながるとは限らないですよね。だから、結果については一切評価しないで、一生懸命やろうとしていたことはしっかり承認するんです。それで、うちの子も、結果を気にせず、チャレンジするようになったのかなって思います。

よく考えたら、私はこれまで、子どもに対して、結果のことばかり言っていたような気がします。『こんな点数じゃダメでしょう』とか『いくら頑張っても結果がこれではね』なんて言われたら、もうやろうとしなくなりますよね」

「プロセス」を認める

このAさんのお話には、「なるほど!」と思わされます。確かに、結果にこだわることは大切なことだとは思いますが、テストであれ、試合であれ、その時に出題される問題や対戦相手によっては、頑張ったけれど、「仕方がなかった」ということは往々にしてあります。

「そうならないために、日頃の勉強や練習が大切でしょう!」と言われれば、まったくその通りで、だからこそ、結果よりも、日頃、取り組んでいることのほうにもっと意識を向けて、認める声かけをしていくことが大切なのではないでしょうか。

結果については、こちらがジャッジ(評価)をするのではなく、「どう思った?」と子ども自身に聞いてみたらよいのです。こちらは、ただ、「取り組んでいたね」、「緊張したけどチャレンジしたね」、「自分で決めたことをやろうとしていたね」とプロセス(過程)を認めてあげていたら、子どものチャレンジ意欲はもっと増していくのだと思います。

大人が「失敗はない」という考え方を持つ

「やっても結果が出なければ意味がない」、「結果を出さなければ認めてもらえない」と子どもが思ってしまうと、失敗を恐れてチャレンジしなくなってしまいます。本当の失敗とは、何もチャレンジしないことです。やることをやって出た結果から、また、次どうするのかを学べば良いのです。成功と失敗があるわけではなく、体験と学んだことがあるだけです。子どもたちに、その感覚を持ってもらうためにも、大人が「失敗はない。体験から学べばいい」という考え方で接することが大切です。

これから、テスト、受験シーズンを迎えるお子さんも多いと思いますが、大人が結果にとらわれ過ぎることなく、お子さんの日々の取り組みを見守り、応援していきたいものです。

プロフィール

石川尚子

石川尚子

国際コーチ連盟プロフェッショナル認定コーチ。ビジネスコーチとして活躍するほか、高校生や大学生の就職カウンセリング・セミナーや小・中学生への講演なども。近著『子どもを伸ばす共育コーチング』では、高校での就職支援活動にかかわった中でのコーチングを紹介。

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