【感情がコントロールできない子ども】特徴と対処法は?
赤ちゃんの時には、本能のままに泣いたり、笑ったりしていたお子さまも、成長とともに喜怒哀楽の感情も発達してきます。その後、幼児期に入り、感情の起伏が激しくなってきたり、急に感情が爆発してしまったりすることは、感情のコントロールがうまくできないだけなのかもしれません。
それでは、お子さまはどうしたら感情をコントロールできるようになるのでしょうか。
この記事のポイント
感情をコントロールできない子どもの特徴
まだ、お子さま自身が自分の感情をコントロールできないうちは、思い通りにならないと泣く、叫ぶ、叩く、怒るなどの方法で気持ちを表現することがあります。日常生活の中でも、お菓子を買ってもらえないお子さまが寝転び、大声で泣いている光景を見たことがあるのではないでしょうか。
また、就学する頃になると、お友達などに自分の考え方ややり方を押し付けるというお子さまもいます。また、混乱していると叩き続けることやずっと泣き止まないなど、さまざまな感情が強く出ることもあるでしょう。
感情のコントロールがうまくできなくなる原因は?
では、3~5歳くらいのお子さまが感情のコントロールができなくなる原因について考えていきましょう。保護者が忙しい、気持ちに余裕がない、ゲームや携帯にばかり夢中になっているなど、保護者がお子さまに関心がなく、自分の気持ちを優先してしまっている時、お子さまはどう感じるでしょうか。
お子さまは保護者の気持ちが自分に向かっていないことを感じ、「もっと構ってほしい」という思いから泣く、怒る、叩くなどという方法で保護者を求めるでしょう。それでも受け入れてもらえないことが続くと、満足感が得られない状態になりますので、感情のコントロールができなくなってしまいます。
また、保護者から厳しいしつけをされ、否定的な言葉をかけられ続けたお子さまは、自分が認められた経験がほとんどありません。そのため、満たされない思いから感情をうまくコントロールできなくなってしまいます。このように自己肯定感が低くなることで、自分の気持ちや考えに自信が持てなくなり、それをうまく相手に伝えることができず、イライラしてしまうということもあるでしょう。
言葉を話すことが未熟な時に、自分の感情がうまく伝えられず、さらに保護者がそれをくみ取れないなどの意思の疎通が図れないことがあります。このようなことが続くと、気持ちを理解してもらえないことで、感情のコントロールが難しくなってしまうこともあるでしょう。
感情が爆発し抑制できない子どもにはどうしたらいい?
感情が爆発してしまい、自分でその気持ちをコントロールできないお子さまにはどう対処していけばいいのでしょうか?
・まずは落ち着くのを待つ
お子さまが混乱している時は、ギュッと抱きしめて落ち着くのを待ってあげましょう。スキンシップをとることによって、お子さまの乱れた感情は落ち着くようになります。
また、混乱している時に触れられることを嫌がるお子さまもいます。その場合は「あなたのことを考えているよ」という気持ちを持ちつつ、少し離れて見守るようにするなど、そのお子さまに合わせた関わりをするとよいでしょう。
・感情のもつれを一緒に解いてあげる
混乱している時、お子さまは自分自身の気持ちが理解できなくなっています。少しずつ落ち着いてきたら、お子さまの気持ちを確認してあげてください。
質問は首を縦に振る、横に振るだけでも答えが出せるように「○○でさびしかったの?」など想像しながらていねいに質問し、なぜ感情が爆発してしまったのか、お子さま自身が気持ちに気づけるようにしていくとよいでしょう。
・気持ちに共感して寄り添ってあげる
お子さまの気持ちに共感し、寄り添ってあげることも大切です。「いやだったんだね」「さびしかったんだね」と気持ちを理解してあげましょう。こうすることで、保護者に理解してもらえたという安心感を得ることができます。
・正しい方向性を示してあげる
お子さまの気持ちを受けとめた後には、きちんと正しい方向に導いてあげるアドバイスをしましょう。例えば、間違っていることや、思い通りにはいかないこともあるということをきちんとお子さまに伝えます。この時、一方的に叱ったりせず、お子さまの気持ちを認めながらも、理由を説明し、納得できるように話をするとよいでしょう。
他にも、気をそらせる、代替案を提案してみるなど、さまざまな方法があります。その時の状況をみながら、上手に関わっていくとよいでしょう。
これだけはやめて!NGな対処法
お子さまが感情的になった時、保護者もイライラしてしまうことがあるかもしれません。しかし、そんな時こそ絶対にやってはいけない対処法があるのでご紹介しましょう。
・子どもの感情の爆発に、保護者も感情的に叱る
お子さまの感情の爆発に保護者も感情的に叱ることで、お子さまは自分が否定されたという気持ちになります。叱られた恐怖心は、その後保護者に嫌われたくないという不安感を抱くきっかけになり、自分の意見を主張することができなくなってしまうでしょう。結果的に自己肯定感が低くなってしまうことがあります。
また、「感情的に怒ってもいいんだ」とお子さまが感じ、それを真似してしまうこともあるかもしれません。こういった悪循環が生まれ、ますますお子さまの感情の起伏が激しくなってしまうことがありますので、お子さまの前で感情的に叱るのは極力控えるよう気を付けることが大切です。
・無視する
苛立った感情を静めるためにお子さまの主張を無視することはやめて、しっかりと受け止めてあげましょう。お子さまが感情的になってしまうのは「自分のことをわかってほしい」「もっと構ってほしい」ということが多いです。そういった気持ちがことごとく無視されてしまうと、受け入れられない悲しさで感情を抑制し、自己肯定感が低いまま成長してしまうことになるでしょう。
・子どもの要求を丸のみする
感情をぶつけられることが面倒になってしまい、その場をはやく切り抜けたいという気持ちから何でもお子さまの要求を丸のみしてしまうのはやめましょう。怒りや悲しみなど、感情表現をすることで要求がすべて通ると学習してしまい、余計に感情の爆発がエスカレートしてしまうことがあります。
まとめ & 実践 TIPS
お子さまが突然怒り出したり、泣き出したりすると、理由が分からず、つい感情的に怒ってしまい後悔したという経験のある保護者も多いのではないでしょうか。
お子さまが感情を爆発させる時には必ず理由があります。まずは、なぜそのような気持ちになったのかを理解してあげましょう。また、普段からお子さまときちんと関わることで、お子さまを知り、気持ちを理解し、保護者がイライラしてしまった時でも感情的に怒らず、極力落ち着いた声で話しかけるように心がけることが大切です。