4歳男児の反抗期にどう対処していくべきか
できることがどんどん増えていく4歳児。大人の言うこともスッと伝わるようになりコミュニケーションが取りやすくなる一方、大人が頭を悩ませてしまうような行動が目立つ時期です。特に力も強くなっていく4歳男児の反抗期には、どのように対応するのが正解なのでしょうか。今回は、保育士歴15年以上の市川由美子さん監修の下、対処法や注意すべきポイントについてご紹介します。
4歳男児の反抗期について
周囲から言われていることを理解できるようになりますが、自分の気持ちや欲求を言葉にするのはまだまだうまくできないのが4歳児です。相手に伝えたいことがうまく表現できなかったり、相手が理解してくれなかったりすると、大人でもイライラするもの。4歳の子供ではそんなイライラをうまく抑えることができず、ついつい手が出てしまうのです。
◆親の言うことに反抗する
親御さんの中にも、中学生や高校生のときに周囲の大人たちへ反抗的な態度を取っていたという方も少なくないかと思います。イヤイヤ期の頃に訪れる第一次反抗期が長引いているとも言われている4歳男児の反抗期でも、同じような行動が見受けられるでしょう。本人が大人の言うことをほぼ理解できている分、その言葉に対しての反抗も強くなってきます。パパやママから指図されるのではなく、自分の思う通りに行動したいという気持ちから、親の言うことに反抗するようになるのです。
◆話を聞かなくなる
親御さんからの言葉に反抗するだけでなく、話自体を聞かなくなるのも4歳児の特徴のひとつです。注意したばかりのことを何度も繰り返したり、大人の話が聞こえているのに聞こえていないようなフリをしたりすることもあります。あからさまな無視とまではいかずとも、パパやママの話をスッと受け入れたくないというのが、この時期の多くのお子さまが持つ感情なのです。
◆4歳男児特有の現象
4歳となると反抗期が目立ち始め、わがままが増えたり口答えが増えたり、体全体を張った攻撃などが多くみられます。
また、暴言を吐いたり、言葉遣いが悪くなる、自分の納得がいくまで他人を質問攻めにすることも男の子ならではの現象です。
たとえば、自分はヒーローだと言い、その強さをアピールするために、いろいろなものを叩いて歩いたり、暴力的になったりなどがあげられます。
反抗期が始まった場合にどう接すればよいのか?
口も達者になり、力もどんどん強くなる4歳の男の子。我が子の反抗期が始まってしまった場合の保育士流の対処方法をまとめました。
<反抗期が始まった男の子の特徴>
反抗期が始まった場合、個人差はあるものの以下のような特徴があげられます。
・暴言を吐いたり、言葉遣いが悪くなる
意味がわからずに使っている場合もありますが、ほとんどがイライラを上手く表現できなかったときにみられます。
・叩くなど暴力的になる
イライラを上手く表現できず、つい手が出てしまい、攻撃的な態度や行動を取ってしまうことがあります。
・赤ちゃん返り
今までできていたことを急にしなくなったり、急にべったりと甘えてきたりします。
◆「今はそういう時期」と受け入れる
4歳の男の子はわがままの度合いも強くなり、保護者への要求も増えてきます。話を聞かないこともよくあり、親としては注意したくなるような場面に遭遇してクタクタになってしまうなんてこともありますよね。この時期は、全てを真に受けてしまうのではなくある程度受け流すことも大切です。「今はそういう時期」と受け入れることで、反抗期を乗り越えていくのも親御さんの心持ちとして重要なポイントと言えます。
◆お友達に攻撃してしまうときは自分たちで解決できるように促す
この時期は、パパやママに対してだけでなくお友達にも攻撃的な態度を取ってしまう子が少なくありません。男の子同士でケンカになってしまうこともしばしばあります。そんなとき、頭ごなしに怒ってしまうとお子さまの行動はさらにエスカレートしてしまいます。そうならないためにも、自分たちで解決できるよう大人がそっと手を差し伸べてあげましょう。
◆危ないことをしているときは「なぜしたの?」「どうしたらいいのかな?」と理由まで聞く
男の子の好奇心や冒険心から、大人が思わず「危ない!」と声を出してしまうほど危ないことをしてしまうことがあります。目の前で起きている危険な状況に、大人としては「やめなさい!」と大声を出してしまうことも出てくるでしょう。しかしいきなり頭ごなしに怒られることで、子供は「なんで?」「どうして?」という気持ちでいっぱいになってしまいます。危ない状況からそっと離したあとに、「なんでそんなことしたの?」「どうしたらよかったと思う?」と理由を聞いてあげましょう。
◆応えるのが難しいお願いは、理由も添えて教えてあげる
4歳にもなると、今まで以上にさまざまな要求をしてくるようになります。簡単なものから、「それはちょっと無理」と言いたくなるようなことまでお願いの内容もさまざま。お子さまの要求に耳を傾けてあげることももちろん大切ですが、応えるのが難しい要求には、応えられないということを理由とともに教えてあげるのも大事な教育です。
反抗期で注意するポイント4つ
反抗期の4歳男児を前にして、親が注意しなければいけないポイントとはどのようなものでしょうか。
◆苛立ちにまかせて叱らないこと
反抗期の4歳男児は、大人のイライラの原因となることも。ご自身が疲れていて、忙しく心に余裕がないときはついつい感情にまかせて子供のことを怒ってしまいがちになります。しかし、相手は成長期真っ只中のデリケートな子供たちです。イライラする気持ちもよくわかるのですが、苛立ちにまかせて叱らないことが子供にとって重要です。
◆叱るときは端的にその場で叱る
反抗期ど真ん中の4歳男児は、人前でも叱られるような行動をしてしまうもの。しかし公衆の面前で「コラ!」と叱るのは、大人でも恥ずかしいと思う方もいるでしょう。お子さまが悪いことをしたときに「今は人前だから」とその場で怒らず、家に帰ってから「あのときどうしてあんなことをしたの!」と怒った経験のある方はいませんか?実はこの行動は、反抗期のお子さまにはあまりよくありません。なぜなら、お子さまによっては過去のことを掘り出して怒られても、なんで今自分が怒られているのかわからない子もいるからです。人前だからと気にする気持ちもわかりますが、子供が悪いことをしたときはその場で叱るように心がけましょう。
◆お子さまと同じ目線で語りかけること
反抗期の4歳男児は、上から目線で話しかけられることで、今まで以上に心を閉ざしてしまいます。大人に対して反抗的な態度を取ってしまうお子さまに対しては、同じ目線に立って話しかけてあげるようにしましょう。閉じがちになっている心の扉も開きやすくなります。目線や話すスピードを子供に合わせて、彼らの気持ちを引き出してあげましょう。
◆危険なことでない場合は見守ることも大切
生まれたときから一緒にいる親御さんたちだからこそ、我が子が危ないことをしていることに対して、ついついすぐに手を出してしまいたくなるものです。しかし、お子さま自身で危ないこと、そうでないことを見分ける力もつけなければいけません。ましてや反抗期中の子供たちにとっては、まだ起きていない危険なことに対して大人から注意されるというのはとても嫌なことなのです。すぐに差し出したくなる手をグッとこらえて、お子さまの成長を見守ってあげましょう。
反抗期は成長の証
大人たちの頭を悩ませることも多い4歳男児の反抗期。しかし、反抗期は大人に反抗できるようになるほどまでに成長したという証なのです。4歳の男児との生活では、ついついカッとしてしまうこともしばしば。しかし、まわりの大人たちがそっと見守ってあげることこそが反抗期を早く終わらせるコツと言えるでしょう。