子どもの叱り方で注意したい3つのポイント【3歳~6歳のお子さまをお持ちの方向け】

子育てをしていると、ちょっとしたことでお子さまを叱ってしまい、自己嫌悪に陥ってしまうことはありませんか?
特に、幼稚園に入園するタイミングでもある3歳頃から、小学校入学を控えた6歳頃までのお子さまをお持ちのかた。お子さまが周りの友達を傷つけてしまったりして叱る機会が多くなるでしょう。
しかし、叱ったことが上手く伝わらなかったり、まだお子さまの言葉が十分に発達していなかったりして、「どのように叱ったらいいのか分からない」という悩みを持つ保護者のかたもいるかもしれません。
そこで今回は、お子さまを叱るにあたって注意したいことを3つのポイントに分けて、分かりやすく解説していきます。

この記事のポイント

子どもを叱らないといけない場面とは

他人を傷つけたとき

友達と遊ぶことが増えると、トラブルを起こす場面があるかもしれません。叩いたり蹴ったりという暴力的なことをしたり、悪口を言ったり、仲間はずれにしたり……。言葉や態度で、精神的なダメージを与えて他人を傷つける行動は、どんな理由があってもいけないことです。
相手が嫌がっていること、痛い思いをしているということをしっかりと伝えるようにしましょう。

自分自身を傷つけたとき

この世に生まれてきた、たったひとつの大切な自分の命を、自分自身で傷つけたときも叱ってよいときです。お子さまの命は、保護者のかたにとっても一番の宝物。命はとても尊いものであり、それを傷つけるということは、お子さまにとって大切な保護者のかたを傷つけることにもなります。そのようなときは、心から叱ることが大切です。

命の危険に関わるようなことをしたとき

子どもは突拍子もない行動をすることがあります。突然道路に飛び出したり、川で遊んでいて思いがけない行動をとったりした場合などは、「命の危険がある」ということを強く叱って教えましょう。
今はまだ小さなお子さまでも、だんだんと一人で友達と出かける機会が出てきます。幼児期から危険なことに対して叱られることで、子どもは少しずつ危険を学んでいくのです。

参考として本を手にとってみるのもよいですが、まずは目の前のお子さまに向き合い、各家庭のママやパパで一緒に話し合いながら方針を決めていくことが大切です。ときにはお子さまの担任の先生に相談してみるのもよいかもしれません。

子どもを叱る場合に気をつけたいこと

感情的に叱らない(怒らない)

感情的になって叱ると、お子さまの中で「怖い」という気持ちが先行してしまい、叱っている内容が伝わりづらくなります。「怒る」という行為は、なるべく避けたいですね。
ときにはイライラしてしまい、「叱る」が「怒る」になることもあるかもしれません。そんな風に怒ってしまったなと気付いたときは、「大きい声で怒ってごめんね」など、怒ってしまったことについて謝りましょう。

暴力に訴えない

しつけのひとつとして叩くなど暴力に訴えることは、叱ることとは違います。
痛みを与えることで、お子さまは保護者のかたの言うことを聞くかもしれません。しかし、お子さまは恐怖を感じて言うことを聞いているだけです。「何がいけなかったのか」という本質が理解できなくなってしまうので、暴力はやめましょう。

長々と叱らない

長々と叱っても、子どもは最後まで集中して聞くことができません。あまりに長いと、「なぜ叱られているのか」という本質が分からなくなってしまいます。
叱るときは短く簡潔に、「何がいけないことなのか」を分かりやすく伝えるようにしましょう。

言うことをコロコロ変えない

言うことが毎回違うと、子どもは混乱してしまいます。それだけでなく、本当は何が正しいのかが分からなくなり、保護者のかたに対して不信感を抱くことにもなりかねません。これでは、いくら叱っても説得力に欠けてしまいます。
叱るときは一貫性を持つようにし、きちんと理由を説明できるようにしたいですね。

人格を否定する言葉は言わない

子どもは親から認めてもらえないと、「自分は大切にされていない」と感じるように。その結果、自己肯定感が低くなってしまうこともあります。
お子さまがやった行動に対しては叱っても、「そんな子に育てた覚えはない!」など、人格を否定する言葉を使うのは絶対にやめましょう。

なるべく時間を置かずにすぐ叱る

原則として、叱るときはその場で叱りましょう。そうすると、「なぜダメなのか」がお子さまにとって分かりやすく、効果的です。
ただし、周囲に人が大勢いる場合や友達がいる前などで叱るのは、お子さまの気持ちを傷つけてしまう可能性があります。そのような場合は人気の少ないところに行き、そっと叱ることで対応しましょう。

叱ったあとの対応も重要

親子ともに感情を引きずらないように

叱ったあとは、お子さまも叱られたという気持ちを引きずり、気分が落ち込んでしまっているでしょう。そのようなときは、保護者のかたが「はい、もう終わり!」と気持ちを切り替えてあげましょう。大人の方が先に気持ちを切り替えることで、お子さまの気持ちも安心に変わります。

叱ったあとの行動が子どもの自己肯定感を育てる

なぜ叱ったのかという理由は、丁寧に分かりやすく説明してあげてください。そして、親としても叱りたくて叱ったのではなく、大切なあなたのために叱ったのだということを伝え、ギュっとしてあげるとよいでしょう。そうすると、「自分はいけなかったな」という感情で占められていたお子さまの心の中に、自己肯定する気持ちも出てきます。
また、叱ったことによって行動が改善されたときはきちんと褒めましょう。これも、大切なフォローのひとつです。

正しい叱り方で子どもと向き合おう

今回は、叱るにあたって注意したいポイントを紹介しました。叱り方ひとつでお子さまの自尊心を傷つけてしまうこともあれば、反対に自己肯定感を育むことにもつながります。ぜひ、正しい叱り方で、お子さまと向き合ってみてください。

プロフィール



保育士として15年以上にわたり、福祉施設、託児所、保育園などさまざまな場面での保育業務に携わる。
食育実践プランナー資格も有している。

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