2歳の男の子の特徴は? 接し方のポイントは「ほめて、叱って、背中を押して」

子育て中の保護者のかたは、「2歳の男の子」にはどのようなイメージをお持ちでしょうか?
「イヤイヤ期」ど真ん中で、さらに活発になり始めるこの時期はよく“魔の”という枕詞が付いていたり、「ギャング」という呼ばれ方をしたりもします。
そこで今回の記事では、「2歳の男の子」にスポットを当て、その特徴や接し方のポイントなどをご紹介したいと思います。

体の成長は一段落し、心や脳、体の機能の発達が盛んになる

2歳児は身体的な成長は緩やかになってきますが、心や脳はめざましく発達します。特に注目したいのは自我が芽生えることです。
自我の芽生えにより、なんでも自分でやりたい、保護者の言うことを聞かない、やりたいことが思うようにできずぐずってしまう。などということがでてきます。これが俗に「イヤイヤ期」「第一次反抗期」と呼ばれるものです。
しかし「イヤイヤ期」に突入したのは、いろんなことができるようになったからです。「2歳の男の子」はどのような成長をしているのか挙げていきますので、実際に一つひとつ見てみましょう。

●歩く
1歳前後で歩き始めた赤ちゃんは、2歳頃にはしっかりと歩けるようになっています。中には走ることができるお子さまもいるでしょう。
ちょっとした高さならジャンプもできます。しゃがんで立ち上がるのが得意なお子さまもいるでしょう。歩けることが楽しい時期ですし、特に男の子は落ち着きがなく、よく動き回ります。

●手先
手先も器用になってきます。クレヨンを持って自由に線を引いたり、ある程度形の分かるものが描けたりするようになります。また、スプーンを自分の口に運んだり、早ければボタンを留めたり外したりができるようになるお子さまもいます。

●遊び
手先が器用になったことで、積み木やブロック、粘土などができるようになります。男の子は乗り物が好きなお子さまも多いため、ミニカーと組み合わせたり、動くおもちゃを作ったりします。こうした遊びによって、創造力や想像力、真似する能力も身につけていきます。

●言葉
単語だけではなく、単語の組み合わせができるようになっていきます。「ママ」や「ブーブ」だけではなく、「ブーブ、きた」など二語文も増えていくでしょう。

毎日、挑戦と成長を繰り返す「2歳の男の子」の接し方!

このように毎日たくさん成長して、昨日できなかったことがどんどんできるようになるのが「2歳の男の子」の特徴でもあります。こうした成長を見守りながら、認めてあげることが今後の健やかな成長にもつながっていきます。

●ほめる
お子さまはほめられることが大好きです。ほめられることで認められた実感がわき、自信もつくようになります。
そんな大好きな「ほめられること」ですので、ほめるタイミングはどんなときでもよいでしょう。小さなことでもたくさん「ほめる」ことが大切です。
お子さまによって成長のペースはさまざまですので、保護者から見るとそのくらいできて当たり前というような小さなことでも、お子さまにとっては「できた!」という特別な達成感があることが多いものです。その都度、しっかりとほめてあげることで自信につなげていくことができます。

●背中を押してあげる
ボタンの留め外しや積み木など、あと少しのところでできなくてかんしゃくを起こしているお子さまを見かけることがあります。「やりたいのにできない」のも2歳児によく見られるシーンです。 そんなときは、保護者の「大丈夫」という言葉ではげましてあげましょう。「できるよ、大丈夫!」「できなくても、大丈夫!」といったようにその状況によって使い分けることが大切ですが、どちらであってもお子さまを安心させることができます。
この安心した気持ちが実は次につながっていきます。たくさんの笑顔で「大丈夫」と言ってあげれば、そのときはできなかったとしても、次もまたきっと挑戦してくれるでしょう。

●感謝する
「感謝の気持ちが持てる、優しい性格に育ってほしい」と考える保護者のかたも多いと思います。お子さまに限らず、「ありがとう」と伝えることは、言った方も言われた方も心が優しくなれるものですよね。
成長するにつれて、お子さまが作った折り紙や描いた絵をプレゼントしてくれたり、自主的にお手伝いをしてくれたりする機会が増えていくかと思います。そんなときは、「ありがとう」と保護者がしっかり感謝の気持ちを伝えましょう。
そうすれば、お子さまも感謝される喜びを知り、その気持ちがお子さま自身の「ありがとう」を言える気持ちを育んでくれるのではないでしょうか。一番身近にいる保護者がお手本となり、「ありがとう」が言える大人でいることが大切だといえるでしょう。

叱り方のポイントは膝の上に乗せるなどして落ち着かせてから

「イヤイヤ期」で特に手を焼くのが叱るときです。しっかり伝えないといけないのに、少しでも気に入らないと、きちんと聞いてくれなくなってしまうからです。
しかしこの頃になるとお子さまも言葉の意味が分かっていますから、頭ごなしに叱られてもなかなか納得してくれないものです。ですから、「なぜそうしてしまったのか」という理由を聞き、まずはお子さまを尊重してあげましょう。そして「なぜいけなかったのか」という理由を説明しましょう。
イヤイヤ期ですから何を言っても聞かないときもあります。そういうときは膝の上に抱える、抱っこするなどして、お子さまの気持ちを落ち着かせてから話しはじめるとよいでしょう。
保護者がイライラして頭ごなしに叱ってばかりいると、お子さまは自分が否定されている気分になってしまいます。そうすると自信をなくし、保護者の言うことをもっと聞かなくなるでしょう。保護者もイライラしないように深呼吸をする、一度トイレに行く、お茶を一杯飲むなど、気持ちを落ち着かせてから話をするようにしましょう。

「こうして成長するんだ」と保護者はドンと構えて

「とにかく大変」と言われる2歳の男の子の子育てですが、大変なのはお子さまも実は同じです。自我が芽生えるのは人間として必然のことで、それがなければロボットと同じです。
そうした自我の芽生えに、お子さま自身がまだ戸惑っていたり、どうしていいか分からなかったりしている時期でもあるということを、保護者は理解するようにしましょう。「こうして一つひとつ変化したり学んだりして、成長していくんだな」と少し大きな視点をもって見守ってあげることも大切です。
「2歳の男の子」がするイタズラや失敗はまだまだ可愛いものです。そう思うことで、より子育ては楽しくなるでしょう。

プロフィール



保育士として15年以上にわたり、福祉施設、託児所、保育園などさまざまな場面での保育業務に携わる。
食育実践プランナー資格も有している。

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