寝ても寝ても眠いのは睡眠不足のせいかも?成長期の中学生の生活リズムを整えるには
常に眠そうな中学生のお子さまにお悩みのかたもいらっしゃるのではないでしょうか。勉強の途中で居眠りをしていたり、休日はお昼近くまで寝ていたりする様子に心配になってしまうこともあるかもしれません。その原因は、睡眠不足の可能性大。成長期に必要な睡眠時間や睡眠不足を改善する方法をご紹介します。
成長期に推奨の睡眠時間は8〜10時間
米国睡眠医学会(AASM)が発表した睡眠時間の指針によると、13〜18歳に推奨される1日の睡眠時間は8〜10時間。(*1)。
しかし、成長期の子どもたちの睡眠時間は8〜10時間に満たないことが多いようです。早稲田大学 理工学術院 柴田重信研究室とベネッセ教育総合研究所による「子どもの生活リズムと健康・学習習慣に関する調査2021」によると、学年別の平日並びに休日の平均睡眠時間は次のようになっています。(*2)
平日
中1:
中2:
中3:
高1:
高2:
高3:
7.8時間
(7時間48分)
7.5時間
(7時間30分)
7.3時間
(7時間18分)
6.8時間
(6時間48分)
6.7時間
(6時間42分)
6.6時間
(6時間36分)
休日
8.9時間
(8時間56分)
8.8時間
(8時間48分)
8.7時間
(8時間42分)
8.5時間
(8時間30分)
8.3時間
(8時間18分)
8.3時間
(8時間18分)
いずれの学年でも、平日の平均睡眠時間は8時間未満で、休日は8時間を超える睡眠となっています。平日の睡眠不足を補うために休日に寝だめをしている様子がうかがえるため、まずは平日の睡眠時間を確保していくことが求められます。
寝すぎの場合は?
寝すぎのお子さまにお悩みのかたもいらっしゃるかもしれません。推奨される睡眠時間の8〜10時間を大きく超える場合は、過眠症が疑われる場合もあるため、医療機関で相談してみるのもいいでしょう。
成長期の睡眠不足を改善するには?
学校や部活、習い事と忙しい成長期の中学生。日々のやることが多く、睡眠時間を確保することが難しいと感じられることもあるかもしれません。次のような方法で、少しずつ睡眠不足を解消していきましょう。
寝る前はスマホなどの光の刺激を少なくする
寝る直前までスマホやテレビに熱中していないでしょうか。寝る直前までテレビを見たり、スマホを見たり、ゲームに熱中すると、夜更かしの原因になります。また長時間、スマホなどのバックライトによる光の刺激を受けると目が冴えてしまい、なかなか寝付けないことがあるので注意が必要です。寝室にスマホを持ち込まないなどのルールを決め、良質な睡眠を確保できるようアドバイスしましょう。
どうしても眠いときは仮眠する
どうしても眠くて勉強がはかどらないときにおすすめなのが、仮眠です。「15分程度、仮眠したほうが業務効率があがる」として、多くの企業で取り入れられています。厚生労働省が2014年3月にまとめた「健康づくりのための睡眠指針2014」(*3)でも、「午後の早い時刻に30分以内の短い昼寝をすることが、作業能率の改善に効果的」とされています。ただし、30分以上の仮眠をとってしまうことのないように要注意。30分以上寝てしまうと、睡眠状態から目覚めづらくぼーっとしてしまう睡眠慣性という状態になってしまう可能性が高くなります。
長期休みでも、なるべく同じ時間に起きて寝る
生活リズムが崩れがちな長期休みは、睡眠習慣も崩れやすいもの。一度崩れてしまうと、整えるのに時間がかかってしまいます。そのため、長期休みでもなるべく同じ時間に起きて寝る規則正しい生活を送ることを意識しましょう。
生活リズムを整えるためには、朝ごはんを食べる、朝起きたときにカーテンを開けて朝日を浴びるなどの工夫もよいですね。
参考:
*1 Recommended Amount of Sleep for Pediatric Populations: A Consensus Statement of the American Academy of Sleep Medicine
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27250809/
*2「睡眠時間が短い子どもの方が、成績が良い?〜睡眠習慣と成績の深い関係〜」
https://benesse.jp/special/berd/suimin.html
*3「健康づくりのための睡眠指針2014」厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000042749.html