赤ちゃんの「湯冷まし」は水道水? ミネラルウォーター?
「湯冷まし」とは、水を沸騰させて冷ましたもののことです。なぜ、赤ちゃんには直接、水道水ではなく、湯冷まししたものを飲ませたほうがいいのでしょうか? ミネラルウォーターではだめなのでしょうか?
湯冷ましを飲ませる理由って?
湯冷ましは、沸騰させた湯を冷ましたものなので、ひと言でいえば、常温の水です。煮沸して冷ましてと、ひと手間かかるので、「なぜ水道水を直接飲ませてはいけないの?」と思うママもいるかもしれません。
これまで、水道などの普通の水よりも湯冷ましをすすめられていた理由としては、
・昔は井戸水などを利用しており、沸騰することで殺菌し、水の安全性が高まる
・水道水に多く含まれているカルキ(次亜塩素酸カルシウム)を分解できる
といったことがありました。
とはいえ、現在は井戸水を利用する機会も少なく、水道水のカルキも健康を損なうほど濃度が高いわけではないため、生後間もない赤ちゃんであっても水道水を飲んでも支障はない、と言われています。
ただし、カルキそのものは人間の胃腸などに負担をかけることも。その度合いには個人差があります。赤ちゃんはまだ身体の調子を整えにくく、赤ちゃんの胃腸の強さはわからないため、より安全な方法として、水道水を避けるという選択もあります。
ミネラルウォーターの注意点
念のため、水道水を避ける場合、「赤ちゃんの水分補給はどうすればいいの?」と思うママもいるでしょう。そんなときは、ミネラルウォーターも選択肢に加えてみては?
ミネラルウォーターなら煮沸の必要がなく、使いやすいので外出先でも便利です。
ただし、赤ちゃんに飲ませる場合のミネラルウォーターは、硬度100以下の軟水を選ぶのがよいと言われています。
硬度の高いミネラルウォーターは、ミネラル成分が多く、赤ちゃんの内臓に負担をかけてしまうことも考えられるのがその理由。ミネラルも大事な成分ですが、ミルクなどにも含まれているので、摂り過ぎはミネラルバランスが崩れるもとになります。
またミネラルウォーターは、開封してすぐ飲ませることができますが、保存のため冷蔵庫に入れた場合、冷たいまま赤ちゃんに飲ませるのは不可。飲ませるときは15~25度の常温にしてから飲ませましょう。
赤ちゃんの体は敏感。冷たい水は、胃腸を刺激し、おなかを壊してしまうこともあります。冷たい飲み物で体が冷えて低体温になると免疫力が下がり体調を崩してしまう原因にもなりかねません。
選択肢に浄水器を通した水を加えてみては?
水道水を湯冷ましにするわけは、先述のようにカルキ臭を抜いたり、消毒することが目的。しかし、浄水器を通した水であれば、水道水でも活性炭により塩素を吸着し、中空糸で細菌類を除去されていると言われています。これなら、水道水を必ず湯冷ましにしなくてはいけないということはありません。
とくに最近は、浄水器の性能も高く、安全性が謳われているものも多数。検討してみるのもいいかもしれませんね。ただし、カートリッジの替えなど、意外と値段が張る場合も少なくありません。設備にお金がかかることを頭に入れておきたいところですね。
赤ちゃんの胃腸に負担をかけない湯冷ましの作り方
安全のために水道水を避けるという考えがあることをお伝えしましたが、実際は日本の水道水は、安全性が高く、それほど神経質になって避ける必要はありません。
しかし、状況によっては、ミネラルウォーターを確保できないこともあるかもしれませんよね。また浄水器は高くて…というご家庭もあるかもしれません。
水道水で湯さましを作る場合は、5~10分ほど沸騰させましょう。沸騰させることで、カルキ臭が抜けます。そのお湯を人肌になるまで冷やせば、湯冷ましになります。
湯冷ましを保存する場合は、魔法瓶を使用すると便利です。でも、殺菌作用のある塩素が除去された水は、時間が経つと雑菌が繁殖してきます。基本的には、余ったら処分して、その都度作り直すのが理想的。保存する場合でも、その日のうちに使い切るようにしましょう。
浄水器やミネラルウォーターもご紹介しましたが、人によって、赤ちゃんによいと思う水は異なるようです。ミネラルウオーターは、便利な部分もありますが、赤ちゃんの腎臓への負担も考えられ、おすすめしないという考え方もあるようです。
いずれにしても、赤ちゃんの健康を考えて、よりよい水でミルクを作ったり、水分を補給してあげられるとよいですね。