子どもの日焼け対策 【Q&A編】

18歳までの日焼けが、将来の皮膚がんや目のダメージ発症のリスクを高めるとして、対策が世界的な課題となっています。
そこで、子どもの日焼けについて、神奈川県立こども医療センターの馬場直子先生に答えていただきました。

Q.日焼け止めは何歳くらいから塗って大丈夫?

A. まず、日焼け止めは健康な肌にしか塗れないということが大前提です。乳児湿疹が出ているような赤ちゃんには塗れません。そのうえで、6か月以降のつるつるのお肌なら日焼け止めを塗ってもかまいません。紫外線吸収剤が入っていない「子ども用」と書いてあるものを使うのがよいでしょう。

Q.日焼け止めのSPF、子どもにふさわしいのは?

A. SPFは肌を紫外線から守る時間を表す数値です。数値が大きいほど長い時間肌を紫外線から守ってくれますが、それはあくまできちんと塗れている状態が続いている場合で、汗で取れてしまっては意味がありません。また、SPF値が高い場合は、肌への負担も大きく、かぶれてしまうことも。お子さまの場合はSPFの数値は低めでよいので、こまめな塗り直しをすることのほうが重要です。

Q. 学校のプールでの日焼け対策は?

A. 学校や先生の考え方にもよりますが、子どもの健康を保護し、安全への配慮を促す「学校保健活動」を通じて、日焼けや紫外線対策への理解が学校教育の中でもだいぶ広まってきました。そのため、日焼けのリスクが広く知られることとなり、ラッシュガードの着用を許可している学校も増えつつあるようです。

ラッシュガードが着用できない場合は、プールの中で過ごす時間より、プールサイドでの過ごし方に気を付けるとよいでしょう。プールの水質を保つという点から、日焼け止めの使用を許可していない学校もあるようですが、炎天下のプールサイドで直射日光を浴びながら過ごすことのないよう、日陰で休ませたり、バスタオルをかぶって見学したりするのを許可してもらうなど、できる範囲で学校にお願いしてみるとよいでしょう。

Q. 日焼けしてしまった時、お風呂は入らないほうがよい?

A. 日焼けしている時は熱いシャワーを浴びたり、湯船につかったりすると痛みを感じますので、避けたほうがよいでしょう。お風呂に入る場合は、(夏場は)水もしくはぬるめのシャワーで、強い勢いは避け、ゆるめの水勢で浴びるようにします。

小さいころからの日焼けの積み重ねは将来の皮膚の老化やがんにつながりかねません。そのため、日焼けをしすぎないように子どもに教えてあげるのはとても大切なことでしょう。一方で、極端に日焼けを恐れるあまり紫外線を避けすぎると、ビタミンDが活性化されず、骨粗しょう症になってしまうリスクが高まります。

正しい知識をもって不要な日焼けは防御しつつも、子どもがトータルで健やかに成長できるようサポートしてあげられるとよいですね。

プロフィール


馬場直子

神奈川県立こども医療センター皮膚科部長。滋賀医科大学医学部卒業。横浜市立大学医学部皮膚科、横須賀共済病院皮膚科勤務などを経て1994年より神奈川県立こども医療センター皮膚科医長。2002年から現職。横浜市立大学皮膚科臨床教授を兼任。

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