離乳食の無理のない進め方は?急に食べなくなった場合の対策も紹介
「離乳食は早いほうがよい」「遅いほうが、アレルギーが出にくい」「離乳食が好き嫌いに影響する」「離乳食1回当たりのグラム数」など、離乳食に関する情報や知識は時代や人によってさまざまです。
しかし、子どもによって発達や味覚はそれぞれ違います。基本的な流れを押さえつつ、子どもに合わせて焦らず進めていくことが大事です。今回は離乳食の進め方についてご紹介しましょう。
離乳食を始めるタイミングは子ども次第!
しっかり首がすわって、5秒くらいお座りができるようになる生後5か月から6か月頃になったら、子どもの様子をじっくり観察してみてください。パパ・ママが食事をしているときによだれが出てきたり、口が一緒にモグモグ動いたり、または手を伸ばして触ろうとしたりしたら離乳食を始められる合図です。
子どもの機嫌のよい日、保護者に余裕のある日に離乳食をスタートしましょう!
1日ひとさじ、1種類の食材から進めていきましょう
まず、子どもの口に入る小さなスプーンと専用の器を用意しましょう。食材をすりつぶせるように、すりこぎやハンドミキサーなどもあると便利です。
最初は、ポタージュ状の10倍がゆから始めます。スプーン上の食べ物を見せてから「おかゆだよ」などと声かけして下唇上にスプーンを乗せます。上唇が下りてくるのを待って捉えたらスプーンをまっすぐ引き抜きます。舌で押し出す動きが多いようならまだ準備ができていないのかもしれません。2~3日おいてから再チャレンジしてみてください。
1日1さじから始め、上手にゴックンできるようになったら少しずつ量を増やしていきます。慣れてきたら、にんじんやかぼちゃ、ほうれんそうなどの野菜を、さらに慣れたら豆腐、白身魚、卵黄などたんぱく質源を試していきます。
どれもよく加熱してすりこぎなどですりつぶしてとろみをつけてあげましょう。
ただし、注意してほしいのは、食べる時間です。万が一、アレルギーなどで体調に変化があった場合、病院で診てもらうなどの対処ができるように、初めての食材を食べさせるのは午前中がおすすめです。
また、どの食材に反応したのかわかるように、初めて口にする食材は1回につき1種類の食材を食べさせるのもポイントです。この時期はだしを中心にして、調味料の味つけの必要はありません。おかゆや野菜、豆腐などのたんぱく質源のそれぞれの味を試していきましょう。
離乳食を始めて1か月ぐらいたった頃、2回食にします。おかゆなら7倍がゆに、野菜などはペーストに、そしてみじん切りなどにして、豆腐ぐらいの固さにしていきます。食材の固さや大きさも少しずつ変えていきます。また、いろいろな味や舌ざわりを楽しめるように食品の種類を増やしてあげると、食に興味をもつようになります。
さらに生後9か月頃に、離乳食を舌と上あごでつぶしていくことが上達したら、3回食にステップアップ。食材の固さはバナナぐらいが目安です。
また、自立を促すために「手づかみ食べ」の練習を始めます。ゆで野菜スティックや、薄切りりんごなどを出して触らせてみてください。より興味をもってくれるようになりますよ。
急に食べなくなるのは心の発達?
「離乳食は比較的順調に進んだのに、1歳頃になって急に食べなくなってしまった!」ということがよくあります。これは赤ちゃんのときと比べてほっそりした体形になるように発育のスピードが鈍ることと、心の発達から自分の好みがはっきりしてくるからです。
急に食べなくなってしまうと焦ってしまいますが、固さや味付けを工夫したり、食事の前はうんとおなかを空かせたりしながら、見慣れること、食べ慣れることを大切に根気よく付き合っていきます。
見せることが学習になるので、保護者と食卓をともにしながら栄養バランスを整えた食事にします。「おいしいよ」と誘うと食べることもあったり、みんなで楽しく食べているとつられて食べることもあります。1週間単位である程度食べていたり、成長曲線でときどき体重の変化を確認しておくくらいで大丈夫です。
「無理せず」「気楽に」がポイント
「好き嫌いに影響するかもしれない」「栄養学的にいろいろな食材をバランスよく食べてほしい」、そんな思いから、離乳食を全て手作りにしたり、毎回多彩な食材を用意したりとがんばり過ぎてしまうと、パパ・ママも疲れてしまいます。また、食べることを強要してしまうと、子どもが食事を楽しいと思えなくなってしまい、さらに食べなくなってしまうという悪循環に陥ってしまいがち。
食事は楽しく食べてこそ、おいしく感じます。ベビーフードや便利グッズなどをうまく活用して、適度に手間を抜きつつ、子どもと楽しく食事することを心がけていれば、それだけでOKです!