【幼児の生活調査】教育費は減少傾向にあるが、園にかかる費用は増加

ベネッセ教育総合研究所では、1995(平成7)年から20年にわたり、幼児を取り巻く環境に関する調査を実施してきました。2015(平成27)年の調査結果では、幼児の生活や母親の育児に対する意識、子育てのサポート環境に至るまで、興味深い変化が見られました。早速、結果を見ていきましょう。

幼児の母親に、1か月あたりの教育費(塾・通信教育・習い事・絵本・玩具などにかかる費用)をたずねました。20年間でみると、「1,000円未満」の比率が11.3%から24.4%へ増加しています(図2-6-1)。一方、園にかかる費用について「30,000円以上」支出している比率を見ると、幼稚園児で10年調査の49.9%から15年調査の57.9%と8.0ポイント増加し、保育園児で10年調査の23.3%から15年調査の29.1%と5.8 ポイント増加しています(図2-6-2)。本調査では、共働き世帯が増える一方で、世帯収入については「600万円未満」の層が20年間で31.9%から40.8%へ約10ポイント増加していることも明らかになっています。このような幼児の家庭の経済的な状況や、園にかかる費用の増加傾向が、園以外の教育費の減少と関係している可能性が考えられます。

Q.現在のお子様ひとりにかかる、1か月あたりの塾・通信教育・習い事・絵本・玩具などにかかる費用はいくらですか(幼稚園・保育園で有料で習っているものは除きます)

Q.現在のお子様ひとりにかかる、1か月あたりの幼稚園・保育園にかかる費用はいくらですか(保育料や、幼稚園・保育園で有料で習っている習い事の費用を含みます)

  • 出典:ベネッセ教育総合研究所「第5回 幼児の生活アンケート」(2015<平成27>年)
  • http://berd.benesse.jp/jisedai/research/detail1.php?id=4770

(筆者:ベネッセ教育総合研究所)

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