子どもの片頭痛にはどう対応する? 関連しておこる症状も知っておこう

子どもが片頭痛を訴えた場合には、どのように対応し、頭痛を和らげてあげればよいのでしょうか。大人であれば頭痛の兆しが表れた時点で頭痛薬を飲むこともできますが、子どもはそういった早い段階で対応することができません。「痛い」と訴えた時点で、迅速に対応してあげることが重要です。

頭痛が始まったらまずはゆっくり休ませる

片頭痛が起きる時間は「発作」だと考えましょう。今までは元気だったのに急に頭痛を訴えたり、逆に、頭痛で辛そうだったのに治ったと言ってけろっとしていたり。前後にはっきりした症状が少なく、発作の時だけ強い痛みに悩まされます。

あまりに症状が極端であるため、大人からすると「気のせいでは」と考えてしまうことも多いかもしれません。しかし、頭痛は頭痛。子どもが頭痛を訴えたらできるだけ早く休ませるようにしましょう。横になったほうが楽であれば、楽な姿勢で寝かせます。光や音が神経を刺激するとよくないので、休ませる場所は暗めの静かな部屋を選びます。

片頭痛は頭を冷やしてもOK。冷やしてはいけない頭痛も!?

本人が望むなら、程よい温度に調整した氷枕やおでこに貼るシートなどを使って、頭を冷やすのも有効です。なお、片頭痛ではなく「緊張型頭痛」の場合は冷やしてしまうと逆効果。片頭痛は頭の中で小さな炎症が起きているので、それを鎮めるために冷やすことが有効なのですが、緊張型頭痛は血行が悪くなるために起こるため、冷やしてしまうと逆効果なのです。
どちらの頭痛かわからない…ということであれば、一度がまんして「90度に腰を曲げてお辞儀をしたまま頭を振る」という動作をしてみましょう。痛みが増すようであれば片頭痛ですので、冷やしても問題ありません。

高学年の子どもであれば、頭痛薬も上手に利用しましょう。コツは痛みが強くなる前に飲むことです。年齢・体重に応じた使用量を守り、あまり頻繁に服用することがないよう保護者のかたが管理すれば、薬も怖いものではありません。あまりにも痛みが強いようでしたら、がまんさせるよりも早く痛みを取り除いてあげることのほうが大切です。

「片頭痛に関連する周期性症候群」の4つの症状

片頭痛が起こると、同時に、あるいは少しずれたタイミングで別の症状が発生することがあります。片頭痛に関連して起こる代表的な4つの症状は、まとめて「片頭痛に関連する周期性症候群」と呼ばれています。

1. 周期性嘔吐症候群…周期的に起きる吐き気、嘔吐
2. 腹部片頭痛…強い腹痛、食欲不振
3. 良性発作性めまい…急激に起こる回転性の激しいめまい
4. 良性発作性斜頸(しゃけい)…頭が左右どちらかに傾く

頭痛と同時に起きたり、このような症状が起きてから頭痛につながったりする場合もあります。頭痛との関連を忘れず、丁寧に症状を確認してあげてください。

プロフィール



40年間小児外科を中心に小児医療に携わる。小児外科指導医。

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