夫婦の価値観の違いが子どもにもたらすものとは?【幼児編】

 夫婦といえども所詮は他人です。育ってきた環境が違うので、価値観もそれぞれ。子育てをするうえで価値観が違うことは子どもに悪影響を及ぼすのでは…と思いがちです。でも実は、子育てをするうえで夫婦の価値観の違いが大切なことも。夫婦の価値観の違いが子どもにもたらすものとは…?

子育てに正解・不正解はない

 例えば、食事をしながらテレビを見ることをよしとする人もいますし、絶対だめという人もいます。お受験をさせる、させない、または嫌いなものは残してもいい、全部食べさせる、おもちゃを買ってあげる、あげないなどなど…夫婦間でもパパとママでそれぞれ意見が違うことはよくあること。

意見が違うことは、子育てをするうえで子どもによい影響を与えないのでは、と心配するかたも少なくないでしょう。しかし、実際のところ子育てに正解、不正解はありません。パパ、ママのそれぞれの意見を通して、この世の中には多様な考え方があることを知る、学ぶ機会にもなるはず。

とはいえ、幼児の場合はまださまざまな経験が少ないため、パパやママの行動や言動が判断の基準になります。この時期にパパ、ママが言うことがそれぞれ違っていると子どもは混乱することに。幼児に対しては、夫婦で意見が違ったら、子どもを混乱させないためにも、お互いの意見や価値観を元に自分たちはどんなふうに子どもを育てていきたいか話し合ってこれからを決めていけるといいですね。

パパとママの価値観の違いが子育ての幅を広げる

 幼児期は、子どもが迷ってしまわないように、夫婦で子育ての方向を決めておくと安心です。でも、無理に何もかもあわせてしまう必要はありません。例えば、遊び方。ママは道具を使って遊ばせますが、パパは体を使って遊ばせます。子どもはいろんな遊び方を知るきっかけになります。

また、食事中にテレビをつけるパパとテレビを消したいママ。子どもにとっては矛盾を感じるところではないでしょうか。でも、これも「家族みんなで食べるときは消そう」「週末だけはテレビをつけてもOK」とルールを設けておけば普段もめることもないのではないでしょうか。
ルールは頭ごなしに決めるのではなく、夫婦がお互いの気持ちを思いやって決めることで、自然に解決していくはず。パパにとっても、ママにとっても子育ての根本的な価値観はきっと「どうすることが子どもにとって幸せなのか」というところにあるはず。

これから大きくなっていくと、友だちのいろいろな考え方、社会のさまざまな考え方、人はみんなそれぞれ違う考え方をもっているということに子どもも気づきます。多様な意見に柔軟に対応できることは、世の中を上手に生きていける手段のひとつ。まずはパパとママを通して、いろんな価値観、考え方、意見があることを子どもにふれさせられるとよいですね。

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