どうして赤ちゃんは泣くの? 「泣く」ことの意味と必要性を考えよう
赤ちゃんはどうして泣くのでしょうか。泣くことにはとても重要な意味があります。赤ちゃんは必要だからこそ泣くのです。泣くことの意味と重要性を知らなければただ「赤ちゃんが泣いてばかりで困る…」と思うだけかもしれません。それはとてももったいないこと。せっかく赤ちゃんと生活するのですから、「泣くこと」から赤ちゃんとのコミュニケーションのヒントを見つけていきましょう。
同じように泣いているようでも、実は違う泣き方をしているかもしれない
まだ泣くことしかできない赤ちゃんは、泣くことによって自分の不満や不安な気持ちを必死に訴えています。泣けば周りの人々も反応します。泣く、対応してもらう、ということを日々繰り返し、「どういうときに泣くと、どう周囲が反応してくれるのか」ということを無意識に学び続けているのです。
要求することや訴えたいことによって、赤ちゃんの泣き方は微妙に違います。聞き分けることはなかなか難しいことなのですが、そばにいたはずのママが急にいなくなったときなど、ときどきびっくりするくらい大声で泣くこともありますね。あるいは「あ、いつもと違う場所にいるってわかるのね」と、いつもより大声で泣く理由がわかることもあるでしょう。
つまり、赤ちゃんにとって「泣く」という行為は、人との関わり方を知っていくにも重要な行為。私たちは赤ちゃんをつい泣かないようにとがんばってしまいますが、泣いたらどう対応するのかを考える必要があります。
たくさん泣いても大丈夫、泣かせておくのは悪いことではない
赤ちゃんが泣くと、とにかく「泣き止ませなくちゃ」と大人たちは考えます。ですが、泣き止ませることだけを目標にする必要もありません。「おむつが濡れて気持ちが悪い」といった生理的なことでないのなら、ある程度泣かせておいてもかまわないのです。赤ちゃんがどうして泣いているのかを考えながら接してみましょう。さみしかったり退屈だったりすれば、抱き上げるだけでも泣き止むかもしれません。それでも泣き止まなかったら、今の状況、周辺の環境、持っていたもの、聴こえているものなど、赤ちゃんが気にしていたものはなにかを考えてみてください。経験を積んでいくことで、なぜ泣いているのかを自然と理解できるようになります。
「泣いたらすぐ抱っこしてあげなくてはいけないの?」と悩むママもたくさんいますが、ママだからといって常に赤ちゃんのお世話を最優先しなければならないということはありません。自宅にいてもすぐに抱っこできない状況なら、「ちょっと待っていてね」「もうすぐ行くよ」と顔を見せながら声をかけ、少し安心させてあげれば十分です。いつもと同じ泣き声かな?いつもより機嫌が悪めなのかな?と、少し注意して泣き声を聞いてみましょう。おなかがいっぱいになって眠くて泣いていたのなら、案外そのまま疲れて寝てしまうこともあります。
よく泣く赤ちゃんのほうが心臓や肺が丈夫になる?
赤ちゃんが泣くのは心臓や肺の成長によいと言われることもあります。確かに、生まれたばかりの赤ちゃんの場合は自分自身で呼吸を始めたばかりであるため、大きな声で泣く=呼吸がしっかりしているという意味で安心なことです。
しかし、それ以降の赤ちゃんについては、そこまではっきりしたデータがあるものではありません。笑ったり声を出したりすることでも十分に心臓や肺は成長するのです。逆に、赤ちゃんがたくさん泣いても何ら害はありません。声が枯れたりすることはあるかもしれませんが、すぐに回復します。自然な泣き方であれば問題ないのです。自分自身にストレスにならない程度に「泣いてもいい、大丈夫」という気持ちをもつようにしましょう。泣くことで赤ちゃんの表現力が育ち、表情や言葉で伝えることにつながっていくのです。