子どもが風邪の時、どうする? 【原因と病院に行くべきタイミング】

冬になると空気が乾燥し、風邪が流行します。特に、子どもはよく風邪をひきますし、保護者のかたも看病するうちに、風邪をうつされてしまうこともあるでしょう。子どもが風邪の時に、保護者はどう対応すればよいのでしょうか。たかはし耳鼻科の院長・高橋健太郎先生に教えていただきました。

風邪の時に発熱する理由とは?

子どもはよく風邪をひくものですが、特に小学校に上がる前のお子さまは免疫力がまだあまりなく、風邪のウイルスや細菌と戦う力が十分に備わっていないため、とても風邪をひきやすいものです。逆に、何度も繰り返し風邪をひくことで、自分の力で風邪を治す力を育てていき、小学生、中学生と成長するにつれて、あまりひどい風邪をひかなくなるようになります。

高熱が出ると本人も苦しそうですし、保護者のかたもとても心配になるでしょう。風邪の時に熱が出る理由は二つあります。一つ目は、体に侵入したウイルスや細菌をこれ以上増やさないようにするため、二つ目は、免疫細胞の働きを活発にするためです。この免疫細胞こそが、侵入してきたウイルスや細菌をやっつけてくれる「自分で治す力」の正体なのです。
つまり、熱が出ることで早く風邪が治るともいえるのです。

子どもの風邪、病院に行くべきタイミングとは?

子どもが風邪をひいたら、とても心配になり、早く病院に連れていかなくては、と思うのが親心というものでしょう。しかし、さまざまな事情ですぐに病院にかかれない場合もあるのではないでしょうか。

そんな時、ひとまずお家で様子を見ても大丈夫、というサインを覚えておくとよいでしょう。それは、元気な様子が見られることです。特に、熱があっても、普段どおり元気に遊んでいる・食欲も落ちていない場合は、すぐに病院に行かなくても大丈夫といえるでしょう。熱が40度以上あり、保護者のかたが心配している時でも、本人は案外けろっとしており、元気で遊びたがっているお子さまもたまに見かけるほどです。

逆に、まったく元気がなく笑顔も出ない、ぐったりしていて食欲もないなど、普段の様子と違っている時は早めに病院に行きましょう。特に、呼吸が速くなっている場合は、要注意。肺炎などを起こしている可能性もあるため、早めに病院に行ってください。 また、インフルエンザシーズンには、風邪かと思っていたらインフルエンザだったということもありますので、早めに病院にかかることをおすすめします。

風邪の治療は今、過渡期を迎えている

実は今、風邪の治療というのは過渡期を迎えています。そのため、保護者のかたの子ども時代とは、対処の仕方や薬の処方など、事情が変わってきていることが多々あります。

たとえば、今まで風邪の薬といえば、「鼻水、せきの薬」といったものをセットで処方されることが多かったのではないでしょうか。これらの薬は、大人の薬の量を少なくして、少しでも早く楽になってもらいたいという願いのもと、長年使われてきました。しかし、2000年ごろから、子どもの風邪薬の安全性について、世界中で検討されるようになりました。その結果、鼻水やせきの薬には、残念ながら効果がないということが、近年明らかになったのです。この研究結果を受けて、欧米では副作用の面からも乳幼児に風邪薬を飲ませないよう勧告する国も出てきています。今後は、日本でも徐々にこのような流れになってくることが考えられます。

プロフィール


高橋健太郎

信州大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科に勤務後、ベルギー・アントワープ大学の医学遺伝学講座・耳鼻咽喉科頭頸部外科に留学。その後、江戸川区の耳鼻咽喉科を経て、現在のたかはし耳鼻科の院長に。「自分で病気を治す力を育む」ことを方針に、日々の診療にあたっている。

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