赤ちゃんの成長段階とポイントをチェックしよう!

赤ちゃんというのは、夫婦というふたつの点を結ぶ大切な要、愛の証(あかし)です。赤ちゃんが生まれたその日から日常生活・夫婦の人生それらすべてが、赤ちゃんを中心に回り始めます。
人生の価値観は根底から覆り、親になった喜びが体の内側から震えるような感覚で満ちてきます。「この子のためなら」という無垢な責任感は、自らが生まれてきた意義を悟ったような気持ちへと変わるでしょう。
でもそれは同時に、未知なる世界への畏(おそ)れや不安と闘う日々の始まりでもあります。そんな不安を解消するため、赤ちゃんの成長について予習しておきましょう。


【月齢別】0ヵ月〜1歳までの成長目安

【0ヵ月】

赤ちゃんは1日の大半を眠って過ごします。起きている時間は、ほとんどがおっぱいの時間です。あまりにすやすや眠っていると、息をしているか不安になり、思わず顔を近づけてみたくなったりします。

 

この頃はまだ、おっぱいを一度にたくさん飲むことができません。おなかが空いては目を覚ましておっぱいを飲み、満たされればまた眠る、といった感じです。昼夜の区別もないので、夜中に起こされることもよくあります。

 

授乳の回数や間隔には個人差があります。ゆとりある気持ちで、赤ちゃんのペースに合わせてあげましょう。しばらくは、夜中のお目覚めサイクルもまちまち。赤ちゃん中心に時間が組み立てられていくのだと実感できるはずです。わが家に大統領がやってきた!と割りきり、やり過ごしましょう。やがて時間が解決してくれます。「あの頃は毎日眠かったけど、今じゃいい思い出だわ」と述懐できる日が、すぐにやってきます。

 

この時期、おしっことうんちの回数も多いです。やはり個人差があるので、オムツ交換のあと、育児日記に時刻と色をメモしていきましょう。うんちはほとんど液状ですが、体調によっては便秘気味になることもあります。便通は体調のバロメーター。赤ちゃんの健康状態を、丁寧に見守ってあげてくださいね。

 

 

【1〜3ヵ月】

1ヵ月を過ぎると、視力や聴力が少しずつ向上します。それに伴い、動くものや音に対する反応をはっきりと示すようになり、次第に笑顔も見せるようになってきます。手足をバタつかせるようなしぐさも増え、2ヵ月を過ぎれば声を発するようになります。起きている時間帯のアクティビティー(動き)が高まってきますが、やはり寝たままなので体重が増え、見た目がふっくらとしてきます。

 

3ヵ月を過ぎれば、うつぶせで体を反らせたり首を持ち上げたりするようになる赤ちゃんも出てきます。また、興味をもったものを握ろうとしたり、口に持っていこうとしたりもします。
少しずつお散歩もできるようになりますが、まだ免疫力に乏しいので連れていく時間や場所には注意が必要です。人混みはできるだけ避けましょう。また予防接種が始まるのもこの頃です。
研究により、赤ちゃんは泣き声を使い分けることがわかってきました。泣いているときに録画し、時間があるときに繰り返しチェックしてみましょう。おっぱいやオムツなど、泣き声で聞き分けられるようになるかもしれません。また、3〜4ヵ月ほどまでは、健診を受けるようにしましょう。

 

 

【4〜6ヵ月】

身体的成長が目に見えて確認できる時期です。首がすわり、横抱きはねんねだけになってきます。ぐずるときには抱っこ紐を使えば、抱いたまま家事をこなせるようになります。喃語(ねんご)もたくさん発するようになってくるので、好きな歌を歌ってあげながら育児と家事を楽しく両立しましょう。また、早い赤ちゃんでは歯が生えてきます。

 

5ヵ月を過ぎると寝返りができるようになる赤ちゃんもいます。これからは事故に要注意です。ベッドから離れるときは忘れずに柵を上げましょう。
次第に授乳やオムツ交換の回数が減ってくることを、育児日記で確認しましょう。離乳食が始まれば、うんちのチェックも重要になってきます。回数・色・固さ・匂い、どれも健康のバロメーター。外出や対人接触も増え、病気にかかりやすくなってくるので注意して観察しましょう。
また、夜中に起こされる回数は減り、生活のリズムやパターンをつくれるようになってくる頃でもあります。
それから、顔の識別ができるようになると同時に、人見知りも始まります。日に日に、赤ちゃんの個性がはっきりしてきますよ。

 

 

【7〜9ヵ月】

腹筋・背筋・足の力も強くなり、体幹がしっかりしてきます。ほふく前進で行動範囲が広がるので、赤ちゃんはいろんなものに興味を示します。つかまり立ちを始めると、転倒や落下には特に要注意です。また手先が器用になってきます。手を使い自分で操るおもちゃがお気に入りになってきます。

 

歯の本数も増え、離乳食のメニューが広がります。食後の歯みがきを育児に加えましょう。ビスケットなど、自分で食べられるものを与え始めます。それは同時に、誤飲事故の可能性が生じることでもあります。赤ちゃんの手が届く範囲は危険地帯! 決してものを放置してはいけません。コンセントにもカバーをつけましょう。
また夜泣きを始める赤ちゃんもいます。パパさんも育児に協力してあげてください。ママさんは昼間の家事でがんばりすぎないようにし、がまんせず赤ちゃんとお昼寝するなど、睡眠不足を調節してくださいね。

 

 

【10〜12ヵ月】

活動量が増えるので、体重の増加が落ち着きます。この頃から知能がめざましく発達します。個人差がありますが、早い赤ちゃんでは発話が始まります。言葉を覚え始めると、手を振ってバイバイ、頭を下げてコンニチハ、「マーマ」や「パーパ」また「ワンワン」など、次第に芸達者となってきます。

 

離乳食の摂取状況により、11ヵ月頃から卒乳が可能になります。おっぱいは寝る前だけにするなどして、無理なく卒乳させましょう。ねんねはパパが絵本を読んでなどという習慣をつくれば、自然な卒乳が可能です。パパさん、ご協力お願いします!

 

つかまり立ちからヨチヨチあんよが始まると、転倒事故の危険が高まります。赤ちゃんは関節が柔らかいのでやんわりと転びますが、座卓であごを打ったりします。危険箇所をチェックし、スポンジを貼るなどしてケガをしないように対策をしましょう。引き出しにはストッパーをかけ、指詰めを防止します。

 

 

育児は「育自」などと言います。でも初めて経験する新米ママさんにはツラいものでもあります。ツラいと感じたら、夫・両親・保健師等に遠慮なく打ち明けましょう。誰かに聞いてもらえば、味方がいると感じられます。
育児で感じるツラさは、大半が孤独感と未知なることや先の見えないことへの不安です。でも乗りきってしまえば、ツラいと感じるのは決して長い時間ではないのだとわかります。自分にアドバイスをくれる人たちも、多かれ少なかれ同じような経験を積んできているのです。

 

自分の経験を踏まえ、誰かにアドバイスできるようになったとき、自身の成長に凛とした達成感を覚えます。育児は育自って、こういうことをいうのだなあと実感できる瞬間です。そして何より、赤ちゃんの健やかな成長と明るい笑顔にふれるたび、お金では買えない人生最良の幸せを得ることができます。ギュっと抱き締め、思いきり頬ずりしてあげましょう。

 

 

プロフィール



医療法人社団悠翔会 悠翔会在宅クリニック川崎 院長

宮原裕美
芝パーククリニック 内科医員

お子さまに関するお悩みを持つ
保護者のかたへ

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