家庭の中で思い込みが生まれる メカニズムを専門家が解説
子どものころに抱いた思い込みが心に巣くい、成長過程の中で考え方や行動に表れることがあるという。保護者からのどのようなアプローチで子どもは思い込みを抱いてしまうのだろうか。ベネッセ教育情報サイトでは、子どもの思い込みについての注意のポイントと対策を、四国大学教授の鈴木敏昭氏に伺った。
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思い込みのパターンの一つ「ストローク」という考え方には、「条件付きのストローク」と「無条件のストローク」があります。条件付きのストロークとは、「○○したら、△△してあげる」という表現。たとえば、「100点を取ったら、おもちゃを買ってあげる」という声掛けです。一方で、「無条件のストローク」は、「生まれてくれてありがとう」という保護者の素直な気持ちを子どもに伝えていくことです。子どもが自分は存在するだけで保護者の喜びなのだと知ることは、今後生きていくうえで大きな支えになります。
保護者と子どもの関係でもう一つ重要なのが、「禁止令」という思い込みです。禁止令が冷凍保存のように残り続け、大人になっても弱音を吐けないタイプになってしまうことがあります。また、子どもの年齢不相応に世話を焼いてしまう家庭で育った場合は、成人しても誰かに依存してしまう傾向から抜け出せないこともあります。
思い込みを防ぐには、「精密な言葉掛け」が大切です。子どもには、保護者が思っている以上に、伝えたいことの背景を精密に話さなくては真意が伝わりません。考えを丁寧に伝えることで、子どもがマイナスの思い込みを抱くことを防ぐことができるのです。思考が停止しないように、「どうして?」「なぜ?」と子どもと一緒に考えるくせをつけましょう。
出典:マイナスの思い込みは子育てに禁物! 子どもを枠にはめずにのびのび育てるには【前編】 -ベネッセ教育情報サイト